MAG2 NEWS MENU

五輪史上初の「途中で中止」も。ゴリ押し開催で避けられぬ感染爆発

本来の五輪開催時期から1年の猶予があったものの、大会ボランティアや業務委託スタッフへのコロナワクチン接種はほぼ間に合わず、加えて第5波とも言われる感染の波に見舞われつつある首都圏。かような状況下でいよいよ東京五輪の開幕を迎えるわけですが、この先どのような事態が予想されるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、感染爆発が起きると見て対策を考えるしかないと断言。具体策として、感染者数より重症者数を抑えるワクチン接種計画を推し進め人命を救い、既に接種済みで重症化の可能性が低くなった高齢者にワクチンパスポートを発行し、消費を奨励することで経済をも救うというプランを提案しています。

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

オリンピック後の対応をどうするか?

オリンピックが始まるが、それと同じ時期に感染爆発が起きる様相である。コロナ感染症との戦いと競技の戦いの2重の戦いが始まった。その検討。

東京、沖縄は緊急事態宣言で、神奈川、千葉、埼玉、大阪がまん延防止等重点措置宣言の延長になった。7月12日から8月22日まで。

西村コロナ担当相は、酒を提供する店の情報を金融機関に渡すことや酒の卸に対して酒を提供する飲食店に売るなという指導も撤回するとした。

倒産寸前の飲食店は、緊急事態宣言でも店を開けることになり、一般人の私権の制限もしないことで、感染拡大の防止の方法がなくなったことになり、感染の歯止めがなくなっている。

このため、感染者数は増大の方向になっているし、近未来も増大になる。東京は1日の感染者数が1,400人を超えて、近々に2,000人以上の感染者数になる。

しかし、65歳以上へのワクチン接種が進み、50歳台の重症者が増加している。全国の職域接種より、東京・神奈川・大阪などの感染者数が増大する地域の50歳/40歳台の接種を先に進めた方が良い状況になっている。

そして、感染者数が増大するので、緊急事態宣言中でもあり、飲食店や観光地の客数が減り、それと飲食店への補償金が払われないことで、倒産が現時点でも増えている。

倒産寸前なので、飲食店も開けるしかない。そうすると、感染者数が増えることになり、雪だるま式に感染者が増えることになる。

この解決には、ワクチン接種済の65歳以上の高齢者の飲食店での飲み会を解禁して、旅行も自由にさせるべきである。そして、65歳以下でもワクチン接種完了した人から飲食と旅行を解禁するしかない。

【関連】IOCバッハ会長を「痛烈なピッチャー返し」でおもてなし!? 始球式に国民怒り、反撃プラン大喜利で上杉達也、侍ジャパンも大迷惑

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

65歳以上の時間に余裕がある人たちは、生きているうちに、仲間と飲みたいし、旅行をしたいという大きな欲求がある。この欲求を開放するだけで飲食店と旅行業者は、大きく潤うことになり、観光地も喜ぶことになる。

ワクチンパスポートを発行して、それによる消費を奨励するべきである。ワクチン接種した人へのGoToトラベルやGoToイートを行うべきである。そうしないと、飲食店も観光地も干上がってしまう。

やっと、西村コロナ担当相も言い始めているが、早くからその方向を打ち出して、飲食店のサポートをするべきだった。しかし、平等というワードを持ち出して、その施策に反対する人たちがいる。

日本経済の衰退段階になり、そのような理想を述べる余裕がないはずである。理想より経済の方が優先レベルが高い。経済衰退は多くの人を不幸にしてしまうからだ。

ワクチン2回接種して、PCR検査の陰性証明書を持って、ある用事で仙台などに行ってきたが、ホテルは客数が少なく、値段が割引しているし、高速道路は空いて渋滞もなく、観光地も人出が少ない。このようなことでは日本経済、特に地方経済はダメになると思った。

もう、1年半になり、このままにしたら日本経済も地方経済も持たない。ワクチン接種で重症化しないなら、軽症を含むコロナ感染者数ではなく、重症者数で政策を決めることである。

よって、ワクチンの接種優先順位の決め方が問題になる。このままにすると、感染が広がらない地域の接種率が高く、感染者数の増加が止まらない地域の接種率が低い状態になる。

そのうえ、感染拡大地域は大都市であり、飲食店数も多く、旅行者数が多い地域でもある。この大都市の接種率が低くなっている。これにより、感染者数も重症者数も大都市が危機的になっている。

よって、接種の全体計画を感染状況を見ながら、臨機応変に変えて、感染者数ではなく重症者数で見ることと、重症者数を抑えて経済を回すことである。

この日本経済衰退段階までくると、重症化しない若者の感染を止めることもできないし、重症化する40歳代以上にワクチン接種をすることを優先して、感染拡大の防止ではなく、重症者数の防止に切り替えて、対応策を考える必要になる。

ということで、政策評価方程式=F(経済max、重症者数min、変数ワクチン配布、ワクチン接種対象者の年齢)であるとみる。

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

オリンピックで感染爆発が起きる

このように日本の感染者増大の状況で、世界から多数の人たちが集まり、コロナ感染症の只中のオリンピックになった。85%の選手はワクチン接種をしているが、日本人ボランティア、業務委託者などのワクチン接種が遅れて、オリンピックに間に合わなかった。これにより、選手村での感染が出ている。

まだ、始まっていない時にこうなるので、恐らく競技が始まれば、感染者数がどんどん増えることになりそうである。

選手が感染すると、競技に出られなくなるので、各国選手団も感染に気を付けることになるが、選手村には競技開始5日前にしか入れないことで、ホテルでの滞在になる。しかし、日本人と選手を完全に分けることができないホテルも多数あるはず。

ということで、感染爆発が起きると見て、対応策を考えるしかない。もしかすると、史上初めて、オリンピック途中中止の可能性もあると見える。

しかし、日本の良いところは、米国や欧州と違い、宗教や党派、人種でのワクチン接種拒否がないことである。接種拒否率が40歳以上ではほとんどないことで、重症者数を抑えることができると見通せることである。

このため、感染者数より重症者数を基準にして、ワクチン接種を行い、進めることで、11月時点では、米国や欧州の重症者数より2桁も違う少ない数の重症者数になるはずだ。

重症者数を基準にすると、今でも様相が第3・4波とは違うので、もう少し見た段階で、政府と専門家が評議して、基準を変更した方が良い。

その上で、感染症の区分も変更して、インフルエンザのレベルにすることである。今の基準は、ワクチン接種が進んだ時にはおかしいことになっているからである。

もう、コロナ感染症は重症化しないので、恐ろしくないことにする。今の死者数は、他の病気で死んでもコロナ感染があれば、コロナの死になっているが、原因は違う可能性もあるからだ。コロナで重症化した数を数えるべきなのだ。

さあ、どうなりますか?

国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Karolis Kavolelis / Shutterstock.com

津田慶治この著者の記事一覧

国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 国際戦略コラム有料版 』

【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け