小山田圭吾の誤解と誤算。五輪「結局辞任」劇、謝罪の専門家はこう見る

 

サブカル、逆張りとメジャーな立場

小山田氏のやったことは単なる若気の至り、サブカルの悪ノリ、逆張りのいじりではないのです。爆笑問題・太田さんが「時代の価値観」という言葉で擁護的な発言をしているようですが、それは単なる「悪ノリギャグ」まで。被害者を出すほどのいじめ行為は時代の価値観ではありません。さらにそれを武勇伝として自慢することも、オリンピックという栄えある場での音楽監修者としての資質を問う声が止まらないのは当然だろうと思います。

オリンピック開催に向けて政府が一直線に進むことへの反発。さらに緊急事態宣言発出後も感染者が爆発的に増え続ける中で、オリンピックだけが例外的に扱われることへの大きな反発も、燃料になっていると思います。

サブカルの立場だった時の言動をいまさら批判されることに納得は行かないかも知れません。しかしそうであればオリンピックというメジャーな舞台での栄えある立場に出ることは、こうした過去を暴く行為の洗礼を受けることまでも想定すべきでしょう。

私はさっさとオリンピック関係の役職を降り、再びサブカル的な非メジャーの世界に戻った方が、これまでのファンや支持者はついてきてくれるのではないかと想像します。BCP(事業継続)的危機管理からは、ビジネスをより継続しやすくなるのはコアなファンの確保です。早めに辞任することで、小山田氏に興味のない一般人の批判はほどなく収まるだろうと思いますが、従来からの段はキープできるのではないでしょうか。

呪われた東京オリンピックは、どこまでも暗い影が離れないようです。

image by : Joi Ito, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

増沢隆太

増沢隆太

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「謝罪のプロ」として著名人記者会見のたびにテレビ、ラジオ、新聞でコメントしまくるコミュニケーションのプロ。ロンドン大学大学院では戦争研究を行い、帰国後外資系企業数社でブランドマーケティングを担当した。その後、人事コンサル会社勤務を最後に独立し、人事・経営コンサルタントとして活躍。現在は講演、企業研修、大学生向け講座などで全国を回るほか、東京工業大学の特任教授も務めた。

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