感染者ゼロの嘘。北朝鮮がコロナワクチンのモニタリングに応じぬ訳

 

北朝鮮は中国との国境閉鎖により市民生活にも大きな影響を与えているが、「国境封鎖は国民の統制を強化する上でも好都合」なので、ワクチンの供給とは関係なく、封鎖は続くだろう。

北朝鮮はコバックス側が折れてモニタリングなしの供給を狙っているのでは、とも言われているが、それはまずありえないだろう。しかし、韓国の文在寅大統領は6月14日に、国内でも接種物量が不足しているにもかかわらず、北朝鮮へのワクチン支援を表明したが、支援するワクチンは中国製のワクチンなのか。すでに、アジアなどで新型コロナウイルスに対する中国製のワクチンの効果に対する不信が広がっており、北朝鮮はアストラゼネカ製の受け入れを拒否し、さらには中国製についても不信感があり、導入をためらっているとも言われている。

これと関連し、金正恩政権は6月29日の労働党政治局拡大会議で「国家と人民の安全に危機をもたらす重大事件が起きた」とし、新型コロナウイルス対策をめぐって、軍序列1位で核・ミサイル開発を主導してきた側近の李炳哲を党中枢の政治局常務委員から解任したが、これによって北朝鮮でのコロナ禍対策が良い方向に転嫁していくとは考えられない。いつまで続くのか「感染者ゼロ」報告。(宮塚コリア研究所代表 宮塚利雄)

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