「国から補助金もらって政権批判」vs「音楽フェスで君が代」政治色が一層濃くなったフジロックに賛否両論。「感染者の有無」が政争の具とされる恐れも浮上

2021.08.26
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by よっすぃ~♪(まぐまぐ編集部)
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先週、2年ぶりに開催された音楽フェス「フジロックフェスティバル」だが、開催にあたって国から補助金を得ていたと判明。多くの批判の声があがる事態となっている。

判明するきっかけとなったのはNHKの報道。それによると、新型コロナで影響を受けた公演を支援するためとして、経済産業省から3日間で9000万円の補助を受けていたとのこと。さらに「屋外、屋内、人数などさまざまなパターンごとに、どのような感染対策をすれば安全に開催できるのか、実証実験を重ねながら、データを採っていきたいと考えている」といった、経済産業省の担当者によるコメントも紹介されている。

とはいえ、音楽フェスも文化芸術関連イベントのひとつだと捉えれば、それに対して国から補助が出ることに対して、別段目くじらを立てるほどのことでもないようにも思える。しかし今回に限って大きな反響となっているのは、新型コロナ感染拡大防止の観点から、その開催の是非が大いに取り沙汰された経緯があるからだ。

全国各地で音楽フェスが中止に追い込まれるなか、五輪だけが特別視されて開催が強行されるという事態に対し、音楽ファンはもとよりアーティストの間でも国や政治家に対して、否定的な声をあげる者も少なくなかった。ところが、その反面で五輪と同様に人流増のリスクが叫ばれていたフジロックには出演するというアーティスト、あるいは見に行くという音楽ファンも多く、フェスの開催に否定的な層からは「ダブスタじゃないのか?」といった批判の声が多くあがっていた。

それに対し、フェスを肯定する立場からあがっていた反論というのが、ザックリといえば「五輪は税金を使っているから反対。フジロックはそうじゃないからOK」というもの。国民の税金が投じられている五輪と民間イベントであるフジロックを、同じ俎上に載せること自体がナンセンスだというものだ。

ところが、そんなフジロックも国から補助金を得ていたことが判明したことで、“税金が投じられていないイベント”という大前提が崩壊する形に。それが故に、開催に否定的だった層を中心に大騒ぎとなっているわけだ。

もっとも、フェス開催に肯定的だった層にとっても、今回の報道はかなり衝撃的なものだった模様。今年のフジロックに出演する予定だったものの、直前に辞退することを公表していたジャーナリストの津田大介氏も、今回の報道を受けて「様々な前提条件が崩れる話でショックなんだけど…」と、その驚きぶりがありありと伝わるツイートを行っている。

「補助金出てたのに政府批判」アジカンへの批判が再燃

1997年に初めて開催されたフジロックといえば、まさに日本におけるフェス文化の礎を築いたイベントであることは言うまでもない。ところがコロナ渦以前の数年前からは、主にリベラル寄りの政治色が強すぎるといった声も少なからずあがっていた。

2年ぶりに開催された今年のフジロックは、先述の通り五輪の開催強行とも絡めて開催の是非が大いに論議されたうえ、さらにYouTubeでの無料配信も行われたこともあって、現地参加者のみならず幅広い関心を集める格好となったが、そんななか“政治色”という面で特に話題となったのが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんらによる“政府批判”パフォーマンスだ。

先述のように、五輪の開催に対しては否定的な発言をするいっぽうで、フジロックなどのイベントには精力的に出演していることに関して、一部から批判を受けていた後藤さん。報道によると、フジロックでは忌野清志郎さんのバンド「ザ・タイマーズ」をオマージュした「エセタイマーズ」なる即席バンドでも出演し、「ガースーもうやめてくれ、棒読み答弁聞きたくない」という替え歌を歌っていたという。

そんな彼のパフォーマンスに対し、ファンからは称賛の声もあがるいっぽうで、「めちゃくちゃ白けた」といった声もあがるなど、賛否両論だった模様。ところが今回の報道によって、後藤さんらのパフォーマンスは“国から補助金をもらいながら政府批判を行っていた”という図式となり、ネット上からは「思想の浅さが際立って涙が出てくる」「補助金ありがとうございました、だろ?」といった声も飛び出すなど、さらなる批判に晒される格好となっている。

https://twitter.com/lily_tewi_756re/status/1430682880791912456

https://twitter.com/80NHmIGN331jSeW/status/1430662365603721218

大多数の音楽ファンはドッチラケな「政治色の塗りあい」

そのいっぽう“政治色”ということで、もう一つ大いに物議を醸したのが、自らの出番の一曲目に「君が代」を歌った歌手のMISIAさんだ。

東京五輪の開会式でも君が代を披露したMISIAさんだが、再びの美声に「鳥肌立ちました」と好意的な反応も多く、「最高にロック」との声も。しかしその反面で、やはり曲が曲だけに「政治的だ」といった反応も多く、なかにはMISIAさんのことを“アベ友の御用アーチスト”と断じるような意見も見られた。

このように“思想対立”というような高尚なものでは決してないが、一部の右寄りと左寄りがお互いに「政治色ガー」と罵り合うという、なんともトホホな状況が発生していた今年のフジロック。もちろん、現地や配信でフェスを純粋に楽しもうと思う大多数の観客にとっては「なんだかなぁ」「今どき右や左って…」といった想いを抱くのが、率直なところではないだろうか。

ただ、このような対立が続くことで危惧されるのが、フジロック“後”に大いに注目を集めている「感染者発生の有無」も、このままだと一部の右寄りと左寄りによって“政争の具”にされるのではないかという点。仮に感染者が出てしまえば、それはフジロックの敗北をも意味するといった雰囲気も漂いつつあるなか、運悪く体調の不良を覚えてしまった出演者や観客のなかで、適切な処置を受けることが憚られるような空気ができてしまう、そのことが何よりも心配である。

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