日本のメディアで取り上げられることは減ったものの、トランプ前大統領はいまでも各地で政治集会を開き、自身の主張に同調する集会にはメッセージを寄せるなど活発に政治活動を続けています。2024年の大統領選への再出馬はあるのでしょうか?メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんは、最大の阻害要因は健康不安で健康維持には大いに疑問があると、ロシアの諜報機関による情報やトランプ氏本人による健康不安を否定しない発言を紹介しています。
脳腫瘍が疑われるトランプ前大統領:2024年に再出馬はあるのか?
ぶっちゃけ、トランプ前大統領は世間を騒がすことにかけては天才的だ。例えば、この10月6日、「アメリカを救え」と題する政治集会に送ったメッセージが波紋を呼んでいる。
曰く「先の大統領選挙では民主党陣営が不正な集票方法で、自分の再選を妨害した。その結果、アメリカの国力は低下し、ホワイトハウスは腐敗した政治家の牙城になっている。このままでは、アメリカと中国との間で戦争が勃発するだろう」。
その背景をトランプ前大統領は次のように説明。「バイデン大統領はアフガニスタンからの米軍の撤退を突然実行してしまった。そのため、850億ドル相当の最新鋭の武器や装備がタリバンの手に入ってしまい、その多くは既に中国やロシアに渡っている。彼らはリバース・エンジニアリングを使って、自分たちで同じ兵器を製造できるわけだ。これではアメリカの軍事的優位性は失われたに等しい」。
要は、「バイデン政権の下で、アメリカの地位が崩壊し始めている」というわけだ。その流れを変えるには、自分が2024年の選挙で勝利し、「ホワイトハウスを奪還するしかない」との結論になるのだろう。もちろん、アメリカにはいまだに熱狂的なトランプ支持者は多い。とはいえ、最大の阻害要因はトランプ氏の健康状態である。
ロシアの諜報機関によれば、「トランプ氏は手術のできない脳腫瘍に蝕まれており、この数年は特に精神の安定を失っている」とのこと。ホワイトハウスでトランプ大統領の顧問を務めていたニューマン氏も、この点を懸念しており、「健康不安説を払しょくしなければ、選挙戦は難しいだろう」と述べている。
しかも、トランプ氏本人も、その点については曖昧だ。メディアの取材に対して「2024年のことを考えると、健康問題が要になる。医師の判断に従うつもりだ。もちろん、アメリカをもう一度偉大な国に変えるために戦う用意はしている。しかし、健康でなければできない話だから。政治の世界はクレージーだ。自分だけではなく、子供たちや妻をはじめ家族全員の協力がなければ生き残れない。いずれにせよ、遅かれ早かれ、自分で決断を下すつもりだ。皆が喜んでくれるようにするから見ていて欲しい」と意味深な答えをしている。
洋の東西を問わず、国家指導者にとって健康であることは最重要事項であろう。ロシアのプーチン大統領も中国の習近平国家主席も同年代であり、共に遺伝子治療や伝統的医療を駆使した不老長寿に力を入れているといわれている。
一方、トランプ氏の場合はテレビを見ながら、ハンバーガーとコーラ三昧で、あとは好きなゴルフという生活パターンである。ぶっちゃけ、これでは2024年まで健康が維持できるのか、大いに疑問と言わざるを得ない。
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