中国は尖閣諸島を4日で落とす。米軍事専門家が警告する衝撃シナリオ

2021.11.01
 

中国が尖閣諸島を4日以内に奪取する具体的シナリオ

そして、中国が力を高めれば高めるほど、台湾、そして日本の固有の領土である尖閣諸島でも圧力的な行動を強化してくるだろう。たとえば、米国ワシントンD.C.に拠点を置く「戦略予算評価センター(CSBA)」で研究するトシ・ヨシハラ氏は去年5月、“Dragon Against the Sun: Chinese Views of Japanese Seapower”と題する論文を公表した中で、中国が尖閣諸島を4日以内に奪取する具体的なシナリオを紹介している。トシ・ヨシハラ氏は尖閣諸島奪還までのシナリオを8つのフェーズに分ける。

  1. 日本の海上保安庁の船が尖閣海域で中国海警の船を銃撃し、その後、中国軍の護衛艦が報復として日本に攻撃をする
  2. 日中の間で軍事衝突のリスクが一気に高まる。中国軍が保有する空母などが宮古海峡を通過して日本側が追跡
  3. 日本の早期警戒機とF15戦闘機が東シナ海の上空をパトロールするが、中国軍がそれらを撃墜
  4. 緊張が拡大し、とうとう那覇空港を中国が巡航ミサイルで攻撃
  5. 日本の早期警戒機とF15戦闘機が東シナ海上空をパトロールするが中国軍の戦闘機らがそれを追撃
  6. 宮古海峡の西側で日中間で短期的かつ致命的な軍事衝突が発生
  7. 米軍はそれを観察したままで依然として介入せず。米軍が介入しないことを中国軍が理解し、米軍の偵察機が嘉手納基地に戻る
  8. 最初の衝突から4日以内に中国が尖閣諸島に上陸・奪取

当然ながら、日本側が中国側に先制的に攻撃する可能性は考えにくく、このようなシナリオになることもないだろう。しかし、重要なのはこのシナリオ以上に、専門家たちからも具体的な数字やシナリオが示され始めていることだ。

台湾には2万人あまりの日本人が生活をし、近海は日本のシーレーンとなり、台湾有事における邦人退避や安全保護なども重要な問題となる。日本は今のうちから台湾有事の可能性を十分に理解し、邦人保護やシーレーンの安全確保、そして自らの領土安全保障を真剣に考えていく必要がある。

image by: Igor Grochev / Shutterstock.com

アッズーリ

専門分野は政治思想、国際政治経済、安全保障、国際文化など。現在は様々な国際、社会問題を専門とし、大学などで教え、過去には外務省や国連機関でも経験がある。

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