この冬“コロナ第6波”は来る?「杞憂」と言い切れぬ数々の不安材料

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日本ではコロナ感染者が激減し、医療機関にもようやくいくらか余裕ができてきたようです。一方で、ヨーロッパでは感染者数が過去最高になっている国があり、日本でも再び感染拡大が起こる可能性は否定できません。この冬には第6波が到来するのではないかと心配するのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さんです。山崎さんは不安材料の数々を挙げ、行動緩和や経済対策の話ばかりでコロナ対策の声が小さくなった選挙後の政府のありようについて「杞憂に終わればいいが」と、不信感を表明しています。

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杞憂のこと

古代中国、杞の国に、今にも自分の上に天が崩れ落ちて来るのではないかと心配して寝食すらまともにできなくなってしまった人がいた。この杞人の憂いを「杞憂」と言い、今では「いらぬ心配をすること」という意味で一般的に通用している。

ただその用法には状況に応じて概ね2通りが存在し、1つは「そんなことは杞憂だよ」といった不安の打ち消し、もう1つは「杞憂に終わればいいが」といった一抹の不安の持ち越しである。

今現在においては小康状態にあるとは言え、新型コロナウィルス感染症の波はこれまでで通算5回あり、それを以下にまとめると、
2020年春の第1波
2020年夏の第2波
2020-2021年冬の第3波
2021年春の第4波
2021年夏の第5波
となる。

一目して気になるのは、2020年は春夏冬と波が来て、2021年は春夏の波の後はやはり昨年と同様に秋は小康状態となっていて、さてこの冬がどうなるか、といったところであろう。記録は2年分しかないけれど、少なくともこれまでのところは見事な季節性を見せていると言えるのではないだろうか。とすれば、恐いのはまさしくこれから始まろうとしている冬ということになる。

もちろん去年の冬とは状況は異なる。一番大きいのはワクチンが一通り行き渡ったことである。「もしかしたら今年も…」といった心配は「そんなことは杞憂だよ」の方かもしれない。

とは言え「杞憂に終わればいいが」の方も否定できないところがある。新たな変異株出現の可能性、ワクチン効果の持続性の問題、一番大きいのが未だワクチンが行き渡る前に勝手に収束した直近第5波の謎など不安材料の方もなかなかに多いからだ。

さらに我々を不安にさせるのが政府のありようである。総選挙のせいか、コロナ対策そのものも担当大臣の西村氏や河野氏とともにまるで過去のもののような扱いである。医療体制の拡充、PCR検査能力の拡充、できているのか、やっているのか、怪しい限りである。

また次、今夏のような事態が出来し「体制さえ整っていれば死ななくても済んだのに」といった事案が1つでも発生すれば、秋(つまり小康状態の今)に一体何をやっていたのかといった責任の追及からは決して逃れられるものではない。

我々国民は政権与党に連続して同じ政党を選んだ。意を以てこの事実を読めば「手柄はくれてやる。その代わりきっちり責任は取ってもらうからな」ということであろう。ごく稀に、それこそ地質年代的な視野でみると、天が崩れ落ちて来るような天変地異も起こり得るのである。本当に杞憂と言えるのか。今、その冬が、勝負の冬が、まさに来ようとしている。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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