壁を破るのは「バカ」の力。TV番組「博士ちゃん」に学ぶビジネスのヒント

 

例えば、「博士ちゃん」というテレビ番組がある。博士ちゃんは子供なので、天才扱いされるが、あのまま大人になったら変人扱いされるだろう。そしてバカと呼ばれる。子供の頃は「魚博士ちゃん」でも、大人になったら「魚バカ」になる。

でも、魚バカなら、迷うことはない。魚博士ちゃんにファッションブランドの企画を依頼すれば、魚の柄のプリントやジャカード生地を作るだろう。そして、魚の柄の刺繍をする。魚のフォルムを生かした流線型のドレスを作るかもしれない。魚の色をテーマにした商品企画をするかもしれない。魚の美しさ、楽しさ、美味しさを世界に伝えたいと考えているのだから、迷うはずがない。これは絶対に面白い。

同様に「野菜博士ちゃん」は野菜をテーマにしたブランドを作るだろう。野菜のフォルムを生かしたアクセサリーはヴィーガンにもウケルかもしれない。野菜から取った染料で染めたストールも面白いし、野菜ジュースのカフェを併設したグッズのショップはどうだろう。

魚のブランドと野菜のブランドができれば、食料品売場に隣接した売場で展開してもいいだろう。同様に、化石の博士ちゃん、恐竜の博士ちゃん、お城の博士らゃんなら、各自独特な商品企画をするに違いない。売れるか売れないか。そんなの関係ない。欲しいから作る。それが基本だ。

■編集後記「締めの都々逸」

「馬鹿馬鹿しいこと くだらないこと 本気でやるなら それでいいのだ」

今回は、いろいろと著作権に引っかかりそうな原稿になってしまいました。それと、友人のことを書きながら、自分も相当にバカなのだと再認識した次第です。

まず、結果を考えて、そこから逆算するのがマーケティングの基本ですが、それだと予定調和になってしまうんですね。予定調和こそビジネスの神髄であると考える人も多いと思うけど、バカの神髄としてはつまらない。

僕自身もTも、安い酒場で安い酒を飲むのが好きでした。二人とも、「長生きなんてしたくない」と言い合っていたんですが、Tが一足先に死んでしまいました。バカヤロウです。バカが必要な時代に、バカが死んでどうすんだよ。ということでバカについて考えてみました。(坂口昌章)

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image by: Shutterstock.com

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