壁を破るのは「バカ」の力。TV番組「博士ちゃん」に学ぶビジネスのヒント

shutterstock_619776908
 

テレビ朝日のバラエティ「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」には、1つのことに非常に詳しい子供たちが登場し、自分が好きなものに関する知識を教えてくれます。そんな「〇〇博士ちゃん」と呼ばれるような子供たちも、そのまま大人になると「〇〇バカ」と呼ばれてしまうことがあるのが日本の現実。しかしそんな言葉は気にせず突き進んだほうが面白いことになると考えるのは、メルマガ『j-fashion journal』著者でファッションコンサルの坂口昌章さん。例えば魚や野菜の「博士ちゃん」なら、魚や野菜にこだわったブランドができるのではと可能性を考察。“バカ”が突っ走ることで世の中を動かしビジネスが生まれると持論を展開しています。

ファッション業界からビジネス全体を俯瞰する坂口昌章さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

壁をぶち破るのはバカボンのパパなのだ

1.バカボンのパパは行動する

子供は好きなことをすると、親から褒められる。本を読むのが好き。絵を描くのが好き。自動車の車種を覚えるのが好き。日本では、親はそんな子供達を褒めることが多い。

しかし、年齢が上がるにつれ、その評価は変ってくる。好きなことをするのもいいけど、勉強することはもっと大切だと言われる。更に、大人になると、本を読んだり、絵を描くのは「遊び」と言われるようになる。「いつまで遊んでいるんだ。さっさと仕事をしろ」と言われるのだ。

大人は生活費を稼がなくてはいけないのだから、お金にならないことをするのは「バカ」な行為とされる。それでも、好きなことが芸術性が高い行為だったり、世間から尊敬される行為ならば許される。お金にならなくても、芸術家や聖人と言われるような人は、世間から名誉が与えられる。

ある意味、大人は金と名誉のために行動するものであり、金にも名誉にもならないことをするのはバカなのだ。赤塚不二夫の「天才バカボン」の実質的な主人公であるバカボンのパパは、突然、何かを始める。というか、常に何か面白いことを探していて、それを見つけると、即行動に移す。

例えば、近所の子供が「海は楽しかったね」と言っているのを聞くと、「今日は海に行くのだ」と宣言して、全ての仕事を放り出し、誰かを無理やり誘って海に向かうのである。その結果、様々な事件を起こし、皆に迷惑をかけても、最後に「これでいいのだ」と言って完結するのである。

2.バカボンのパパのような友人がいた

多くの人は、「バカボンのパパみたいな人は実在するはずがない」と思うだろう。しかし、私の友人のTはバカボンのパパのような男だった。お金とか名誉に関係なく、面白ければ行動に移す。

例えば、昔、神楽坂のギャラリーで友人と写真展を開いたことがあった。別に写真展をするために写真を撮ったのではなく、海外出張でロケハンのように写真を撮ってきたのだが、ギャラリーの主人が「面白いから、写真展をやったら」と言うので、急遽、写真展を開くことにしたのだ。

その話をTにすると、「オープニングに暗黒舞踏のOさんを呼ぼうよ。その向かいの空き地で突然暗黒舞踏が始まったら面白いでしょ」と言う。こちらも、「面白いならいいか」ということになり、オープニングの日に突然白塗りの舞踏家が神楽坂の商店街に出現するという事件が起きたのである。その後、もちろん、Oさんを交えて、打ち上げの大宴会を行ったのは言うまでもない。

ファッション業界からビジネス全体を俯瞰する坂口昌章さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 壁を破るのは「バカ」の力。TV番組「博士ちゃん」に学ぶビジネスのヒント
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け