作成のための「合宿」が始まれば、委員らは外出が不可となり、通信機器も使用できなくなる。筆者のときのコンドミニアムは、目の前がスキー場になっていたが、広く大きなガラス窓は四隅が全部めばりがされていて開けることができなかった(窓をあけて、問題を書いた紙などをポーンと捨てれば、問題が流出する可能性があるから)。直系家族が死亡した場合、保安要員や警察官と同行して葬儀場に数時間行ってくることだけが許される。つまりこのときだけ外部との接触が例外的に許されるほどに厳しいものだ。生ゴミさえ保安要員の点検を経る。インターネットは、出題に必要な情報を探す時、セキュリティ要員の監視の下、制限的に使用することができる。
委員らはこのような物々しい雰囲気の中で問題を作成し、繰り返される討論を経て問題を作成する。過去問とのダブりはないか、難易度は適当か、ある種の分野に偏っていないかなどなど、検討する部分は山ほどあり、討論のたびに問題点が出てくるという感じだ。
俗に「監禁生活」などとも言われるスヌン試験問題作成の合宿生活。これも11月18日、修能5時間目に「第2外国語漢文」試験が始まれば、36日間の監禁状態から解放される。午後5時5分から「第2外国語・漢文」試験が始まる。その時間がどれほど待ち遠しいか。大の大人たちではあるが、今か今かと待っている彼らの気持ちは、幼子が大好きなニンテンドーのスイッチを買いに親の手をつないでお店に向かうようなものといったらご理解いただけるだろうか。
受験生には幸運を祈り、「監禁生活者」の方々には労をねぎらい気持ちでいっぱいだ。お疲れ様でした。シャバの空気を存分に吸ってください。(無料メルマガ『キムチパワー』2021年11月18日号)
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