なぜ「女子大生社長」は日本の農業を救うきっかけを作ったのか?

 

そこで考えたのが、「野菜スープ」。農家直営の「スープ専門店」をオープンさせたのです。野菜をメインにした煮込み風のスープ。栄養価が高いと言われる、野菜のヘタや皮、芯などを入れた、「ベジブロス」と呼ばれるダシを使っています。「ベジブロス」の中身は、ジュースを絞った人参の残りや玉ねぎの皮など、本来は捨てるものです。野菜をすべて使い切るためです。

このスープ専門店は、現在、関西に3店舗。100店舗を目指すと言います。お店を増やすことで、野菜が必要になり、契約する農家が増えていきます。すなわち、新規就農者も期待できるということ。これで、目標が達成できるのです。

先は長いのか、短いのか。成功を祈りたいと思います。

ただし、この会社の成功があったとしても、日本の農業が復活するわけではありません。この会社の支援によって、助けられる農家が増えたとしても、それはごくごく一部。こうした会社が数百社必要なのかもしれません。廃業寸前の農家が、それを待つ時間はありません。

また、従来の農家は、農協頼みの仕組みに縛られており、自ら動き出すことをしません。この根本を改善しなければ、“売れる農業”はできませんし、農業人口も増えません。

支援も必要なのかもしれませんが、重要なのは「自立」です。この会社のように、自分たちで作ったものを、自分たちで加工し、自分たちで販売する。「6次産業化」が求められているのです。

生産(1次産業)+加工(2次産業)+販売(3次産業)=6次産業と呼ばれるものです。

政府や自治体、農協を待っていては、廃業するしかありません。すぐに行動してください。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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