続いて「韓国における、日本のデータ改ざん説は(コロナ19)流行初期から韓国社会を支配してきたフレームだった」とし「だから昨年3-4月から見せてきた非常に異常な現象、PCR検査(遺伝子増幅検査)もせず放置しているように見えた日本でコロナ19死亡がなぜ爆発しないのかについて誰も質問しなかった」と主張した(つまりどうせ日本はデータを改ざんしているから死亡ゼロなどとしているのだろう、というわけだ)。
イ教授は流行の初期から“交差免疫”の重要性を強調してきた。交差免疫とは、過去に類似したコロナウイルスにさらされた経験があれば、コロナ19にも抵抗力があるという理論だが、東アジア圏はこのような理由でコロナ19に対する抵抗力が非常に高い地域であるという。韓国ではこれまで学習されたウイルスに対する恐怖(サーズとかマーズなどの大流行)があって、「受け入れにくい人も多いはず」とし「K防疫の弊害は、コロナ19に対して国家が先頭に立って誇張された恐怖を煽り立てこれを防疫の成果として積極的に活用した点」と述べた。
これまで韓国の防疫当局はワクチン接種率さえ上げればすべての問題を解決できるかのように国民を誤って導いてきたが、この難局から脱するためには、突破感染(ブレークスルー感染)でも何でも、自然感染を経験する人が増えなければならないとし、今からでも動線追跡する疫学調査と無症状者・軽症患者を対象にしたPCR検査を中止すべき、と付け加えた(ここまで中央日報を参照した)。
ワクチン接種の進む韓国で、11月の4週目あたりから感染者の数が軒並み増えはじめ、きのう、きょうあたりは4,000人を越えている。韓国で暮らす筆者としては、この傾向が下降してくることを願うばかりだが、そのためにも、こうした国を挙げての自画自賛K防疫の誤りを指摘する識者らの意見を聞いて、正しい方法で国の舵取りをしてほしいところだ。(無料メルマガ『キムチパワー』2021年11月25日号)
image by: Simon.K.Shin / Shutterstock.com