先の衆院選において小選挙区(新潟5区)では落選し、比例で復活当選を果たした泉田裕彦議員が、選挙前に地元の“ドン”と呼ばれる県議会議員から裏金を要求されたと暴露しました。今回のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんが、北海道での例を上げ、「裏金要求」は日本全国、野党でもあったと日本の選挙の実態を明かします。また、泉田議員の訴えについては、裏金を要求されることを見越してレコーダーを用意し嵌めようとしていたのだろうと、「どっちもどっち」との見解を示しています。
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かなりの変わり者 vs. 地元のドン/裏金騒動の軍配はどちらに上がる?
泉田裕彦衆議院議員が、地元のドンと呼ばれる県議会の長老から裏金を要求されたと暴露した。なぜ、いまごろになって暴露したのかは意味不明だ。週刊文春には、地元のドン星野伊佐夫県議からいじめられて我慢の限界に達した、と書かれているが、真相はわからない。
私は泉田議員の秘書をしていた方と懇意にしていて、泉田氏がかなりの変わり者だという話は聞いていた。そもそも、地元の県議と会うときにレコーダーを忍ばせていること自体、尋常ではない。選挙前から暴露の準備をしていたことがわかるので、前もって「嵌めてやろう」と思っていたことは間違いない。
実際にどういうやり取りだったのだろうか確認してみよう。
星野県議とされる人物:それでさ今日の話は誰も知らない。
泉田議員:うんうん。
星野県議とされる人物:これはまあ俺も共犯というか。
(音声が録音されたのは衆院選公示前の9月4日。星野氏の自宅で話をした際、泉田氏がひそかに録音していたらしい。泉田氏によると、星野氏は世論調査の結果を示したうえで、泉田氏が選挙区で苦戦していることを強調。このままでは比例での復活当選も難しいと指摘したという)
星野県議とされる人物:それで泉田さん、勝とうさ。どう思うね。
泉田議員:やっぱり小選挙区で勝つかどうかで全然違いますもんね。
星野県議とされる人物:もしさ、比例でひっかからなかったら終わりだよ。
泉田議員:うん。
星野県議とされる人物:このままでいったら比例ひっかからないんだから、だめだね。このままじゃ比例ひっかからない。結局しくじってやられるのはあなたと俺なんだよ。
(そして、ここから裏金の要求とも取れる発言につながる)
星野県議とされる人物:とにかく必要経費を早くまこう。ここに2000万や3000万出すのにもったいながったら人生終わるよ?
やり取りを見るかぎり、明らかに裏金を要求していると受け取れる。北海道でも裏金を要求していた事例を私は聞いたことがある。松木けんこうさんが北海道12区で立候補したとき、某市議会議員から1000万円の裏金を要求されたと聞いた。その人はその後、市議会議員選挙で落選した。
かつては裏金要求など、全国どこでもあったと思う。今回公開された音声の中に「必要経費をまく」という言葉もある。先に経費を渡して後で領収書を持ってきてもらうという言い訳も成り立つのかもしれないが、「今日の話は誰も知らない。俺も共犯」などと言っている時点で、法に触れる認識があったことが明らかだ。河井夫妻事件の後に平気で要求していること自体が驚きである。
でも、泉田氏も少しずれていると思うのは、応援していただいている方を平気で裏切っていることだ。どっちもどっちのような気もする。
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