コロナ禍で身近に。自らの辛い状況を言葉にする難しさとためらいと

 

この現象を語る際のきっかけは悲しいかな、絶望や悲劇に合うことで培われるケースが多い。ただ最近は世間のすべての人が等しく「新型コロナウイルス禍」という不幸の中にいたから、少し言葉へのためらいが身近になったかもしれない。

一人ひとりがつらい状況の中にあって、その状況を自分の言葉で語ろうとした時に、相手にすべて伝えることが出来ていないことを自覚する機会である。

圧倒的な経験をした際に、その経験が言葉にならない、というイメージにつながれば、言葉へのためらいから経験や体験の偉大さを知っていく。同時に言葉の限界を知り、精神の偉大さ、人間の小ささや、時間の儚さを感じ、同時に人生に面白さを見出していくのではないかと思う。

この流れで言葉や自分や他者、そして人生を位置づけると、社会が描く普通が無意味なものに見えてくるはずである。甥っ子の学びの歩みのように、その人に適切な方法と時間を選択できる柔軟性が多くの人の心に宿ってほしいと思う。きっと言葉が磨かれていくはずである。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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