コロナとマスクで見えてきた一番恐ろしい「同調圧力」という世間

 

コロナ禍が始まると、話はひっくり返って、マスクをしないで銀行に入ると、「お客様、恐れ入りますがマスクをして下さい」と言われるようになった。マスクは日常になり怪しさは感じられなくなってしまったのだ。マスクをしないのが当たり前の世界からマスクをするのが当たり前の世界に、あっという間に変わってしまった。そこに同調圧力が加わり、当たり前を当たり前と思わない人はパージされるようになった。

今まで、当たり前だと思っていた世界がひっくり返り、別の当たり前が立ち現れる。当たり前は、その時々の擬制なのだ。それが分かれば同調圧力とは無縁の立ち位置で世界に立ち向かうことができるはずだが、ほとんどの人は何の反省的意識もなく、当たり前は当たり前だと思っているのだろう。一番恐ろしいのは同調圧力という世間かも知れない。

人前では服を着るのが当たり前の世界では、すっぽんぽんで歩いていると、猥褻物陳列罪で捕まる。イヌに服を着せて散歩させている人たちがいるが、そのうちそれが当たり前になると、服を着せないで散歩させると、猥褻物陳列罪で逮捕されるようになったりしてね。

そもそもなぜ人は服を着るようになったのかしら。ヒトは無毛なので、寒いところで暮らす人は服を着ないと生きていけないというのはよく分かる。服の第一の目的は防寒のためだ。しかし、ほとんど服を着なくても寒くない熱帯地方の人々も服を付けているのが普通である。上野千鶴子に『スカートの下の劇場』と題する著書があるが、この本の冒頭の話はニューギニア高地人の男性のペニスケースにまつわるものだ。(『池田清彦のやせ我慢日記』2021年12月24日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください)

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