ですから松嶋がMatt化した『Uber Eats』のCMを観た時も、私はさほど動揺しませんでした。
デビューしで数年後の、たぶんまだ将来の方向性を模索していた頃に『とんねるずのみなさんのおかげです』で見せた松嶋も知っていましたから、これぐらいのコメディエンヌぶりは、腹を括れば彼女の許容範囲だろうと感じました。
日本の芸能界では、アラフィフ以上の女優さんが活躍出来る土壌はまだまだ少ないように思えます。
較べるのが違うのかもしれませんが、ハリウッドではメリル・ストリープを代表とするように、アラフィフ以上の女優さんが第一線で活躍していますよね。
これは興行的にも、彼女たちが主演でもビジネスが十分に成立しているからです。
もちろん圧倒的な企画力と脚本のおもしろさ、撮影技術があることも否定できません。
そしてハリウッドでは、なによりファンそのものの女優を見る目が成熟していることがビジネスにつながっていると言えます。
それが日本では、残念ながらまだまだ女優は年齢とともに隅に追いやられる傾向があることも現実だと思います。
この話をロサンゼルスのパパラッチに雑談交じりで話したら「大体米国のゴシップ誌では“メリル・ストリープがバイプレーヤーとしての道を”なんて概念そのものが存在しないョ…」と一笑に付されてしまいました。
可愛くて元気一杯だった女優さんが“年齢とともにいい味出てきたねぇ…”と思わせてくれるまでの過渡期には、肉体的にも精神的にも乗り越えなければいけないものがたくさんあるでしょう。
是非そのどこかで“腹を括って”、私たちに“女優魂”を見せていただきたい…そう思います。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by : 松嶋菜々子 公式サイト