飼い猫への毎日の注射に「アルコール綿」は買っておくべき?猫好き医学博士が回答

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糖尿病を患う愛猫に朝晩インスリンを打っている飼い主さんが、注射前のアルコール消毒について疑問を抱きました。相談したのは、メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』著者でアメリカ在住の医学博士・しんコロさん。“しゃべる猫”しおちゃんにビタミンB12を注射していたしんコロさんは、皮下注射の場合に消毒すべき場所とその理由を明確に回答しています。

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飼い猫のインスリン注射に「アルコール綿」は買っておくべき?

Question

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我が家には朝晩インスリンを打っている来月で9歳になるオス猫がいます。インスリンを打ち始めてもうすぐ丸2年です。ケトアシドーシスから奇跡的に復活してくれたのをきっかけにインスリン投与を開始し、輸液の自宅保有もするようになりました。

インスリン投与や輸液の練習の時に「まずアルコール綿で針をさすところを拭く」と教わりました(消毒のためと理解しています)。インスリンを打つ場合はインスリンの瓶の口のゴムの部分(針をさすところ)もアルコール綿で拭きます。診察室で治療のために注射を打ってもらう時も獣医師は必ずアルコール綿で拭きます。

ところが、以前Twitterで獣医師が「アルコール綿は不要」というようなツイートをしていました。詳細は覚えていないのですがとても驚いた記憶があります。しんコロさんの動画でも使っていなかったような…。動物病院でインスリンや注射器を購入する際は必ずアルコール綿の在庫を聞かれるので購入しています。実際のところ、アルコール綿は不要でしょうか?

しんコロさんからの回答

インスリンやしおちゃんに注射していたビタミンB12の場合は皮下注射なので、通常は皮膚をアルコール消毒しなくても大丈夫です。ただし、免疫機能が極度に弱っている場合は感染を防ぐために消毒した方が良いでしょう。

猫ちゃんの状態によってケースバイケースなので、そこはかかりつけの獣医の指示に従うのがベストです。ちなみに、皮下ではなくて静脈注射は家庭では行わないので心配する必要はありませんが、静脈注射の場合は必ず消毒します。

さて、薬剤の瓶の注射針をさすゴム部分は、針を刺す直前にアルコール消毒して下さい。なぜなら、もしゴムに雑菌等がついていて針を刺したことで瓶の中に雑菌が入った場合、中で雑菌が繁殖して薬剤が傷んでしまうこともあるし、最悪ケースは雑菌が湧いた薬剤を猫に注射してしまうことになるからです。

「なぜ大切な猫は消毒しないのに瓶を消毒するの?」と思うかもしれませんが、猫の皮膚は多少の雑菌が入っても免疫が駆除してくれるので問題がない一方、瓶は一度雑菌が入ったら雑菌が繁殖し放題だからです。

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image by: Shutterstock.com

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ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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