既存イメージを壊した「袖あり寝袋」はなぜこんなにも売れたのか

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コロナ禍でキャンプなどのアウトドアに興味を持つ人も増えているなか、従来の寝袋の概念を壊し、しかも高品質の商品が話題となっています。今回は、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんが「ありそうでなかった」を実現した商品を紹介しています。

既存のイメージを壊す発想

今号は、注目の寝袋を分析します。

● シャツなどの衣類品の製造・販売を手掛ける株式会社オギタヘムトが展開している「袖付き寝袋『クーリオ』

アウトドアを快適に過ごしたい方をターゲットに「企業ポリシーやノウハウ」に支えられた『寝袋をより快適な空間にしてくれる』等の強みで差別化しています。

寝袋のイメージを覆す、ありそうで無かったアイデアだけでなく、そのアイデアを高品質な形で実現したことにより、期待と注目を集めています。

■分析のポイント

世の中に登場した多くの新しいアイデアは、既存の要素の組み合わせと言われていますが、袖付き寝袋は、まさにそれに当てはまります。

寝袋も袖も、既存のモノですからね。

今回のポイントは、既存のイメージを壊すということです。

寝袋は、その名の通り、袋状の携帯用寝具です。当たり前ですが、袋状のものだからこそ、寝袋なのです。

寝袋が製品として登場したのが1890年とのことですので、100年以上にわたり、袋状であることは変わっていなかったわけです。もちろん、素材などの進化はしています。

100年以上にわたり、寝袋が使われていたわけですからユーザーの中には、手を自由に使いたいと思う方もいたと思われますが、寝袋ですから、袋なのは当たり前であると受け入れている方も多かったのでしょう。

ですので、オギタヘムトのアイデアの素晴らしいところは、既存のイメージに囚われていないというところにあると思います。

多くの方が寝袋は袋状のモノと受け入れている。そこに疑問を持つというのは難しいことです。

昔の話ではありますが、地球の周りを太陽などが動いていると信じられていた16世紀前後の世の中で、太陽の周りを地球が動いているのではないかと疑問を持ったコペルニクスやガリレオの偉大さはそこにあると思います。

少し大きな話になってしまいましたが、多くの人が受け入れているモノゴトに疑問を持てるかと言うのは、新たなアイデアを生み出す上で非常に大切なことです。

そして、多くの方が受け入れているイメージを打ち壊すことができるアイデアや製品は、ユーザーの関心を得る事に成功する確率が高いです。自分の持っているイメージが覆される経験は大きな印象として心に残りますからね。

今後、オギタヘムトからどのようなアイデアが出てくるのか注目していきます。

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