ロシア、デフォルト確定か。日欧米の制裁強化でルーブルは紙くず同然?現実味を帯びる経済破綻

2022.03.01
by たいらひとし
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ロシアが債務不履行いわゆるデフォルトに陥る可能性が極めて高いとロイター通信が報じた。ロシアのウクライナ侵攻に抗議した経済制裁に日本を含めた西側諸国の足並みも揃い、今後ますます制裁の厳しさは増すとみられている。ロシア経済は混迷を極めることになりそうだ。

債務不履行と2桁のロシア経済の縮小を示唆

ロイター通信によると、国際金融協会(IIF)は28日に、ロシアが対外債務の不履行に陥る可能性は「極めて高く」、今年のロシア経済は2桁の縮小に見舞われるとの見通しを発表した。西側諸国による制裁がかつてない規模になり、インフレ率も2桁になる見込みだ。

IIFは、ロシア中央銀行の他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合に使用する準備資産である「外貨準備」の半分が資産凍結を行った国に保有されていると推定している。

また28日には、ロシア中央銀行が政策金利を従来の9.5%から20%に引き上げると発表したばかりだ。利上げは2月に入ってから2回目で、米欧の経済制裁の影響で通貨ルーブルが急落。28日には過去最安値を更新して、インフレ加速を抑えるために緊急の利上げを行った。

ロシア当局が経済を支えられなくなるのは時間の問題か。ルーブルが紙くず同然になる恐れが出てきた。

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ロシア国民も経済崩壊を確信か

ロシア国内でも「経済が崩壊する」という悲観的な空気が広がり、ルーブル安を懸念しドルを確保しようとする動きが広がった。

「SWIFTから排除されたらどんな被害が起きる分からない」との思いから、早めに現金を引き出しておこうと「取り付け騒ぎ」が発生。週末の都市部のATMの前には市民の大行列ができた。

なんとSWIFT排除が発表された木曜日で1110億ルーブル(約1500億円)引き出されたとの報道もある。

敵も味方も誰も得をしない戦争にうんざり

ロシア軍が侵攻が始まり当初はものの数日で首都キエフが陥落するとみられていたが、意外なことにウクライナ軍が奮戦している。

ウクライナ当局は27日に、死亡したり捕虜になったりしたロシア兵を検索できるサイトを開設した。プーチン大統領がウクライナに送り込んだ兵士たち家族の消息を心配しているロシア国民に向けて作られたものだ。

一方、ロシア国防省は、ウクライナ侵攻で死亡した兵士の詳細を明らかにしていない。

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自国は経済危機に陥り、家族は戦場に送り込まれる。攻めた側も攻められた側も誰も得をしていない戦争という名の愚行。情報を遮断できた世界では通用しても、世界に情報が発信できる社会では通用しない。

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