ミャンマー情勢も最近、あまり耳にしなくなりましたが、それは状況の改善があったからではありません。ミャンマー国軍による市民・少数派民族への蛮行は勢いを増し、武装化した民主派グループとの紛争は激化し、ミャンマー市民を取り巻く状況は悪化の一途を辿っています。
国際社会からの締め出しや孤立を意に介さず、中国からの支援を得ながら、ミン・フライン総司令官(暫定首相)と国軍は“わが道を行く”方針を変えず、問題の解決の糸口はたっていません。まさに国際社会から見捨てられた悲劇の一例です。
東アフリカの不安定化。中東・北アフリカ地域で広がる不穏な動き。ISの勢力拡大。アフガニスタンの国家破綻状態への“無関心”…。
例を挙げればきりがないほど、ウクライナ危機と並行して、世界各地で悲劇が拡大しています。それらは“報じる価値がない悲劇”なのでしょうか?
そのような状況に、私たちは対ウクライナ問題と同じレベルの連帯を持つことはできないのでしょうか?
ウクライナをはじめ、世界各地で連発している数々の悲劇とその犠牲となる一般市民の皆さんに、連帯と一日も早い事態の解決に尽力することを申し上げたうえで、最後にオープン・クエスチョンを投げかけて、今週号を終えたいと思います。
ウクライナ戦線で、ロシア軍の停滞とスランプが伝えられる中、宗谷海峡、そして今週には津軽海峡を、ロシア海軍の艦船が通過しました。ウクライナ戦線にシベリアの部隊を投入するものと思われますが、領海内を悠々と軍艦に通過させた我が国は、実際にどのような立ち位置を国際社会で選ぼうとしているのでしょうか?
残念ながら、私には分かりません…。
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