また、駅ナカの店ではJREポイントという、Tカードやポンタカードのような、ポイントを貯めることができます。
貯めたポイントは、JRの交通系カードのSUICAに、チャージすることができ、そのままSUICAのポイントとして使えるので、運賃支払いやショッポイングにも便利です。
もともとSUICAカードでJRに乗ると、少し割引になったりするので、同じ乗るならJRにする、また、同じ買い物をするなら、駅で買っていけば時間もセーブできるし、ポイントもたまる、という、お客様維持のサービスにもなっています。
そこに今回の宅配が加わると、「同じ宅配ならJRにしようかな」と、選ばれる理由が増えることになります。
このように、これまでJR東日本が持っていた、一等地の場所で、便利に物が買え、さらに食事など楽しむことができる、さらに、支払いもSUICAでやりポイントも貯まる、というビジネスモデルに、今回の宅配が加わって、全てを駅周辺で囲い込む、という戦略を取っています。
これは、楽天がショッピングだけでなく、保険や車検、クレジットカードなどでポインをためて、楽天ファンになって欲しい、また維持をする、という「経済圏」を作る戦略と似ていますよ。
持っている経営資源を活用して、顧客サービスを充実させるのは、ビジネスの鉄則です。
JR東日本の経営資源の中で、唯一無二の好立地の「場所」、鉄道で移動してくる人流をそのまま集客できること、の2点が特に他社が真似できない、参入障壁の高い資源です。
そこに、通販を加えることで、これからどうなるのか?とても楽しみです。
毎号「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説する理央 周さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: yu_photo / Shutterstock.com