モスクワでも10万円。プーチン暴走でさらに下がるか露の平均月収

2022.03.25
by kousei_saho
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国際社会の批判を浴びながらもウクライナへの侵攻を続けるロシアですが、かの国の人々の日常や生活についての詳しい情報は、日本にいる限り詳しく知る機会はほとんどありません。では、同じユーラシア大陸に位置するフランスの状況はどのようなものなのでしょうか。今回のメルマガ『パリ大学博士・世川祐多のフランスよもやま話』では歴史学者で日仏交流に情熱を注ぐ世川祐多さんが、フランスの実情及びフランス人がロシアに対して抱いているイメージを紹介。さらに知られざるロシアの真実やロシア国民の平均月収等を記すとともに、西側諸国による経済制裁がロシアの庶民に与える影響を憂慮しています。

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ロシア人の月収 ~フランスでも謎多きロシア~

ロシアとは非常に大きな存在感を持ちながら、謎めいた国である。これはフランス人にとっても日本人にとっても変わらないイメージだ。

それには共通の原因があると考えられる。

まず、ロシアを旅した経験を持つ人が少ない。周りの人で、ロシア旅行に行った人などまずいない。いても珍しい。日本人でフランスに旅行に行った人は多いし、フランス人も日本に旅行したことのある人は物凄く多く、そういうことが相互の理解を促進している。チェコなどはフランス人はよく旅行するが、ロシアは旅行先としては不人気で、従って旅行に行った人は少ないからリアリティを持つイメージが皆の間に湧きにくい。

二つ目は、ロシア語を解する人があまりに少ない。フランス人は、イタリア語やスペイン語が少しはわかるという人が多く、若い人は英語を得意にする人も多い。日本人も上手い下手は別として、英語を理解する人は多いし、流石に義務教育で触れるから英語は一番馴染みのある外国語で、読もうと思えばなんとか読める。しかし両国で周りを見渡しても、ロシア語ができますという人はほとんどいない。文字を見ても読めないから、なんとかすれば文字から情報をとれるということもない。

こうなると、どうなるか?といえば、ロシアを体験した人からの感想や説明も聞けなければ、ネットを駆使したりしてロシアの情報を自力で取ってこれる人が研究者ぐらいしかいなくなり、ロシアの情報が極めて制限されるということだ。

結局フランスやヨーロッパにとって、ロシアは昔も今も薄気味悪い仮想敵国で、プーチンは特に何をしでかすか分からない恐ろしい人間という印象を最初から与えていた。そして、その恐ろしい予感が当たってしまった。それ以外は、ロシア人は美人、ウォッカのアル中ばかり、貧しそう、天然ガスが多い、そんなイメージで埋め尽くされるだけ。

ただ、知られざるロシアの真実としては、89%の国富を3%しかいない大富豪が握っていることが挙げられ、特に南仏の城などはロシア人大富豪に買い漁られている事実がある。

逆に開戦月、先月のロシア人の都市別平均月収はモスクワで703ユーロ、ウラジオストクで378ユーロだから、10万円や5万円程度の月収で多くの人々が暮らしていることになる。

プーチンの暴走で経済制裁の痛手を被るのは一般市民だから、数ヶ月後の平均月収はどうなるのだろう。

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image by: aarrows / Shutterstock.com

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