つまり、ミサイルが多く飛ぶということは、中国とロシアがアメリカ、または韓国など極東の西側諸国に対してなんらかの敵対的な感情を抱いているということになるのではないでしょうか。
そのように考えてみると、ロシアは、現在のウクライナ侵攻を見れば、明らかであり解説の必要はありませんし、また中国に関してもトランプ大統領の時代から経済制裁を行い、ファーウェイの副社長が拘束されるなど、様々な問題が出てきております。
では、日本にとって中国はどのような問題点があるのでしょうか。ここからは中国について「日本のリスク」ということについて、考えてみたいと思います。
日本と中国の関係といって、すぐに「論語」や「遣唐使」など、古代の話を持ち出す人がいます。
実際に、現在の地理的な位置関係にある中国に位置していた古代国家との間には、確かにそのような関係があったということになりますし、また、日本は仏教の伝来などを含めて、様々な影響を受けたことは歴史的事実でしょう。
当然にそのことには日本の文化のルーツなども感じることができますので、その一端は傾聴に値すべきところがあるのかもしれません。しかし、現在の中国は、文化大革命で「批林批孔運動」を展開し、また史的唯物論を声高に叫んでその内容を実践し共産主義革命を行った国であり、その主導的立場にあった共産党が現在も一党独裁している国家であるということを考えなければなりません。
つまり、日本のルーツになる中国は、現在の共産党政権とその支持者たちが積極的に自分たちの手でその文化と文明を滅ぼした国であるということも言えるのです。
私が大連にいた1997年から2000年の4年間、北京や大連、上海などの本屋を回りましたが、その中において「論語」という本は存在しません。
また、現在日本やアメリカで展開している「孔子学院」という、アメリカではスパイ組織として名高い場所において論語の教育を受けることはできないのです。
史的唯物論を唱えている政権が精神道徳を学ぶ機関を海外に出すはずがなく、孔子学院などという名前を使っていても、それは「客寄せのための便宜」であって、中身が伴っているものではないのです。
もっと言えば「孔子」という名前ですら、「唯物的価値」で使っているということにすぎません。
要するに、現在の中国に論語など日本人の多くが尊敬するであろう道徳的、または思想的活のある中国は存在しないということになるのです。
さて、中国に対しての日本のリスクは、まず、この「中国との関係における日本人の勘違い」ということが最も大きいのかもしれません。
日本人のこれらの思い込みというのは、本当に厄介であり、またなかなか修正できない物であるということになります。
論語の言葉などは全く知らない、その価値観も共有できない相手に、日本人が論語的価値を持って敬意をもって接するという、他から見たらかなり滑稽な状況が生まれているにもかかわらず、その日本人は全く気付いていないということになるのです。
世界の今が分かる、宇田川敬介さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ!