たった1週間で100兆ウォンが紙切れに。大暴落の韓国仮想通貨「ルナ」決定的な弱点

West Bangal, India - February 4, 2022 : Terra luna logo on phone screen stock image.West Bangal, India - February 4, 2022 : Terra luna logo on phone screen stock image.
 

近年、世界中で数多く出回っている仮想通貨ですが、韓国産の「ルナ」が今月に大暴落し、日本でも大きな話題となっているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、たった一週間で100兆ウォンが「紙切れ」になるほど大暴落に至った経緯について詳しく解説しています。

韓国産仮想通貨「ルナ」大暴落

仮想通貨については筆者はほぼ何もわかっていない。ただ5月13日は韓国各紙が韓国産仮想通貨「ルナ」大暴落について報道しており、かなり深刻な事態のようなので今回(朝鮮日報をもとに)取り上げた。

金利引き上げと米証券市場墜落に加えて韓国産仮想通貨「ルナ」と「テラ」暴落事態まで起き、12日仮想通貨市場の全体時価総額が1日で2,000億ドル(約257兆ウォン)以上蒸発した。時価総額が100兆ウォンを超えた「ルナ」と「テラ」が紙切れになるにはわずか1週間もかからなかった。

その衝撃で仮想通貨の代表格であるビットコイン価格も12日、3%以上も下落し、一時2万6,000ドル(約3,340万ウォン)まで下がった。2020年12月以後16ヶ月ぶりだ。米CNBCはこれを「バンクラン(銀行大規模引き出し事態)」になぞらえて仮想通貨市場に「コインラン」が発生したと報道した(米CNBC:ニュース通信社ダウ・ジョーンズとアメリカの大手テレビネットワークのひとつNBCが共同設立したニュース専門放送局)。

事件の発端は韓国産仮想通貨である「テラ」と「ルナ」の暴落だ。テラは1個当たりの価格が1ドルに固定されるよう設計された仮想通貨、いわゆる「ステーブル(stable]コイン」だ。これを維持するために姉妹コインである「ルナ」を発行したり焼却する方式でテラの価格を維持してきた。

7日、世界3大ステーブルコインに挙げられたテラの価格が小幅下落すると、その担保役割をする仮想通貨ルナ価格が10%ほど下落した。コイン価格が動揺すると怖くなった投資家の売り行列が続き、コイン発行会社である「テラフォームラボ」はテラ価値を1ドルに維持するために6兆個を越えるルナを発行したが価格下落だけを煽った。

結局、先月5日119ドル(約15万3,000ウォン)だったルナ価格は、13日午後には0.00003ドルになった。価格が99.99%暴落したのだ。1ドル価値を維持してこそ市場で機能できるテラも0.19ドルまで価格が下がり事実上「死亡宣告」を受けた。

13日、世界最大の仮想資産取引所バイナンスと国内仮想通貨取引所アップビット・ゴーパックスなどがルナを上場廃止した。国内4大仮想通貨取引所でルナを保有した投資家は20万人に達するものと推算される。

ルナ・テラ事態は全世界仮想通貨市場の不安感を煽り投資家の売り行列を呼び起こした。ビットコイン価格が16か月ぶりに最低値を記録し、時価総額2位の仮想通貨であるイーサリアムも2000ドル台が崩れ、昨年7月以降最安値を記録した。13日、両仮想通貨の価格は前日比やや回復したが、市場不安は続いている。

仮想通貨業界関係者は「ステーブルコインは価格変動性が大きくなく、多くの仮想資産投資家がウォン・ドル・ユーロをステーブルコインに変え『予備投資金』のように保有していた」として「ここで問題が起きると投資家の不安感が極大化され市場信頼も揺れている」と話した。特にステーブルコインの資産担保が少なかったり、テラのように現金資産なしにコインを担保にしている点が決定的な弱点として取り上げられている。

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