投票日が今週末に迫った参院選で、候補者は最後の追い込みにかかっている。そんな中、れいわ新選組の山本太郎代表がなりふり構わない作戦に出て炎上してしまったようだ。
「データ渡すから投票依頼の電話かけて」作戦が波紋
問題になったのは参院選で東京選挙区から出馬しているれいわ新選組代表山本太郎氏の6日のツイート。
タイトルには「全国から電話で応援! 山本太郎を国会へ電話大作戦」とあり、そこには「全国の皆さまにお願いです。ご自宅の電話や携帯などから、東京にお住まいの方へ山本太郎への投票依頼をお願いします!」とあった。
さらに、メッセージの下には注意書きとして電話データとマニュアルを渡すとして、申し込みサイトのアドレスが明記されていた。
このツイートが個人情報漏洩ではと騒がれており、「都民の個人情報ばらまいてるの?」「そのデータはどこから手に入れた?」とSNS上で批難されている。それを受けて、全国比例区から出馬している高井たかし幹事長の同様の投稿とともに削除された。
山本氏は昨年の衆議院選のときに野党共闘に同調しながら、東京8区で立候補し、立憲民主党の候補とぶつかった。結果、立民は大きく議席を減らして惨敗し、衆議院初当選を果たした。
衆議院選で野党との連携は崩壊し、れいわは孤立無援の戦いを強いられている。一つでもれいわの議席数を増やそうと、山本代表は衆議院議員を辞職し、参議院選挙に立候補した。
与党の圧倒的有利が叫ばれる中、絶対に負けられない戦いの中、焦りのあまりツイートしてしまったのかもしれない。
「政見放送がわかりやすい」とさすがの一面
行き過ぎた作戦で批判を浴びた形となった山本代表だが、一方ではこんな声もある。
「山本太郎の政見放送はわかりやすい」「よく調査、勉強している、しかもものすごく謙虚だ」「アンケートにすらまともに答えられないタレント候補に山本太郎の言葉を聞かせたい」
などと山本氏の政見放送や街頭演説はわかりやすいと評判だ。YouTubeでも政見放送の再生数は自民党を引き離して1位だという。
街頭演説ではヤジる聴衆の言い分をきっちり聞いて対話する姿が印象に残る。他党の候補者には見られない光景だ。
山本氏の現状は東京選挙区(改選数6)の中では、現職4人に加えて生稲晃子氏に続く6位とみられ、当落線上のギリギリだ。
これまで「首相になったら国会でやる」と宣言していた封印の持ちネタの「メロリンQ 」を披露するなど、あの手この手でアピールしている。
今回の騒動はなりふり構わない作戦が裏目に出てしまった形だが、山本氏の思いは有権者に届くだろうか。投票日まであとわずかだ。