安倍元首相の銃殺事件で中国国民に沸き起こる反日ナショナリズム

Tokyo, Japan - July 9, 2022: Assassination of Shinzo Abe, former Japanese Prime Minister, being reported on front page of all Japanese newspaper as breaking news
 

安倍元首相に関する個人的な記憶

当方にとっては、安倍元首相は真の愛国者であり、日本のために力を尽くしたといえる。中国に対しては、友好的に礼儀正しくしてくれた。いい顔をしない中国のリーダーと握手したときも、顔色を変えず、笑顔で応えた。

第1次安倍政権が誕生して間もない2006年10月、安倍元首相が電撃訪中した。それを契機に、日中の間に、「戦略的互恵関係」が築き上げられた。それ以前に、多くの中国人が安倍晋三を「右翼」と見なしていた。「右翼」が敢えて中国へ「破氷之旅(氷を砕く旅)をした。日中の間の氷山を打ち切ってくれた。当時、多くの中国人が驚きと面白さを感じていたという。政治家が「ギャップ」と「矛盾」を示すのに一種の寛容だと思われる。

2005年ある日のことを思い出した。その頃、中国は反日デモの最中であり、朝ニュース番組に自民党幹事長代理だった安倍総理が出ていた。その手で持っている一枚の紙に大変驚いた。それは中国語新聞に載せている署名「黄文葦」の記事のコピー、「過激なナショナリズムを煽ってはいけない」というタイトルがはっきり見えた。その記事は中国の反日デモを反対するという主旨であった。

その時、安倍元首相が記事の主旨を同意してくださったと思った。自分の言論がこの世と繋がった、という感じた瞬間であった。無名な外国人記者の記事をテレビで紹介すること、気楽・寛容的な人だと感じた。これは安倍元首相に対する個人記憶である。

因みに、在日中国人には、安倍元首相に感謝の気持ちを抱いている。在日中国人の中には、安倍元首相と日本政府への感謝の気持ちをSNSに書き込んでいる人もいる。大病を患ったときは日本政府から補助金をもらい、この2年間はコロナ感染拡大で経営が苦しくなり、政府から資金援助をしてもらった。外国人に対する差別はなく、日本人の社会福祉を在日外国人が享受しているということ。

特に、安倍元首相について、特に印象的なシーンは、地震被災地を訪問する際、被災したおばあちゃんの前でひざまずいて話し合っている姿である。

この記事の著者・黄文葦さんのメルマガ

初月無料で読む

(『黄文葦の日中楽話』2022年7月18日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

image by:KenSoftTH / Shutterstock.com

黄文葦この著者の記事一覧

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 黄文葦の日中楽話 』

【著者】 黄文葦 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第3月曜日(年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 安倍元首相の銃殺事件で中国国民に沸き起こる反日ナショナリズム
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け