統一教会と自民は“一心同体”。安倍元首相が破壊した「政教分離の原則」

2022.07.21
 

さて、その後の流れですが、2014年10月11日、旧統一教会が東京の八王子市芸術文化会館大ホールで「祝福原理大復興会」というイベントを開催すると、安倍首相の懐刀と呼ばれていた自民党総裁特別補佐の萩生田光一議員と参議院議院運営委員長の中川雅治議員が出席し、来賓挨拶を行なったのです。

そして、翌2015年3月には、翌4月に全国で初めて「同性パートナー制度」が成立することとなった東京の渋谷区で、同性婚や同性愛を批判するビラが区民宅へ片っ端からポスティングされたのです。人海戦術で大量のビラのポスティングを行なったのは、旧統一教会の下部組織「Pure Love Alliance Japan」で、真偽は不明ですが、当時は安倍官邸からの指示だと噂されました。

その2カ月後の2015年5月、学生団体「SEALDs(シールズ)」による安倍政権への抗議デモが拡大すると、今度はどこからともなく別の学生団体が現われ、シールズを批判し安倍政治を賞賛し始めました。これが安倍官邸の指示で出動した学生団体「UNITE(ユナイト)」ですが、メンバーの大半が旧統一教会の学生信者で、旧統一教会の政治組織「国際勝共連合」の傘下団体でした。

「UNITE」の活動資金は、安倍内閣の内閣機密費から支出されていたという噂もありましたが、これも真偽は分かりません。しかし、後にデジタル担当大臣に抜擢され、恫喝問題ですぐに身を引くことになる自民党IT戦略特命委員長の平井卓也議員が、当時、自身のフェイスブックなどで、この「UNITE」の活動を宣伝していました。

そして、その裏では、1994年から差し止められていた旧統一教会の名称変更が、2015年8月、約20年ぶりに認可されたのです。旧統一教会は悪名高い「統一教会」という名称を捨て、「世界平和統一家庭連合」という新しい名称で、世間の目を気にせずに活動できるようになったのです。ちなみに、この時、この名称変更を受けて、自民党の鳩山邦夫議員と亀井静香議員が祝電を送っています。

その後も安倍首相を介して、旧統一教会と繋がりを持つ自民党議員が増え続けました。それは、選挙で組織票が得られるからです。今回の参院選でも、当選した自民党の井上義行議員が旧統一教会の全面支援を受けていたことが発覚しました。井上議員は第1次安倍政権で首相秘書官をつとめた側近中の側近であり、自ら旧統一教会の賛同会員であることを認めています。今回は選挙中に同性愛者への差別発言を行なったため、当選は難しいと見られていましたが、旧統一教会の組織票の効果なのか、当選を果たしました。

長年、旧統一教会の問題を取材し続けて来たフリージャーナリストの鈴木エイト氏によると、旧統一教会と何らかの繋がりがある現職の国会議員は112人いると言います。その内わけを見ると、自民党が衆参合わせて98人と突出しており、他は立憲民主党が6人、日本維新の会が5人、国民民主党が2人となっています。

さて、今回の安倍元首相の殺害事件ですが、山上徹也容疑者(41)の供述によれば、昨年2021年9月12日に韓国で開催された旧統一教会の関連団体「天宙平和連合(UPF)」のイベントで流された安倍元首相のビデオメッセージで、韓鶴子総裁に「敬意を表する」と述べた安倍元首相を見て、殺害を決心したと言います。

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