報じられぬ山上容疑者「統一教会への献金で破綻」と「自衛隊入隊」の因果関係

 

それから、自民党、政府、あるいは岸田さんでもいいのですが、安倍さんを「国葬」にすると言い出すのではないかと確か申しましたけれど、実際言い出しました。というか決定したようですね。これ、「国葬」というのは、直近だと中曽根さんが亡くなったときに、あれは内閣と自民党の合同による葬儀だったんですね。まるで226事件かと言いたくなるような格好をした警察官がダーッと並んで不気味な光景だったのを覚えていますが。一般の人は入れない形でした。そういうのはありましたが、「国葬」は戦後、ただ一件だけで、皇室以外で国葬が行われたのは吉田茂さんだけ。これ、実は私よく覚えていまして、私が若くないことは当然皆さんご存じだと思いますが(笑)、昭和42年。私が小学校6年生の時でした。

その前からご病気だったのだと思いますが、データを調べてみましたら、10月20日に亡くなっているんですね。で、国葬が行われたのが10月31日、わずか11日後なんですよ。11日後に国葬が行われたということになります。安倍さんの例で言えば、事件から二週間たっていますから、もう国葬…というくらいのタイミングなんですね。もちろん、亡くなり方が全然違いますから、病気で高齢でなくなった吉田さんと演説中に銃撃されて亡くなった安倍さんとでは違いますから、そう簡単な話ではないのですが、しかし、岸田さんは「秋」だと仰いましたでしょ。なぜそんなに先にするのか。

確かに先に伸ばすことについて、理由は色々付けようがあると思います。新型コロナのオミクロン株のBA5がとんでもない勢いで感染を拡大させていますので、そんなときに大勢が集まるようなものを政府がやるのはおかしいと、観光に関する支援策さえ先延ばしになっているにもかかわらず、国葬を慌ててやる必要はないと説明がつくでしょうし。

ただ、ちょっと思うのは、この間の時間を、旧安倍派は派の会長がいなくなったんですね。自民党内で最大の派閥、最大も最大。圧倒的多数を持っている派閥のトップがいなくなった。こんなことを言ったら岸田さんに怒られますけれど、自民党の、政府の、事実上の最高権力者といってもおかしくないくらいの力を発揮していた、しかも活動的に行動していた安倍さんが突然亡くなられた。という状態を前に、安倍派内部は分裂の危機ですよね。安倍派は分裂してその後にどのような形になるかということと、岸田さんが政権をどう運営していけるのかということの間には関係があると思うのですね。

ということになれば、国葬のタイミングがずれればずれるだけ、安倍派内部は新しい代表を簡単に決められなくなるのではないでしょうか。そのあたりは政治評論家の方にお任せした方がいい話なのでこれ以上は申しませんけれど。岸田さんにとっては自民党内の、どうあっても反対できないというか、その人にこうしてくださいと言われたらなかなか無理とは言えない、無碍に断れない、否定できない、拒否できない…それだけ大きな安倍派の存在がどうなるかは、政権の中での求心力、岸田さんの求心力が強まるか弱まるか、非常に大きな岐路というか。それは色んなことがあると思いますね。

見えないところで色々なことが起こるでしょう、今、まるで旧田中派に7人いた幹部が「七奉行」なんて言われていたのに準えて、いつの時代かよって感じがしますが、今回も「旧安倍派の七奉行」というのですが、奉行というか、全然ぱっとしない人たち…などというとなんですが、巨大派閥を率いていけるような良い意味でも悪い意味でも実力を備えた人がおられるようには思えないのです。

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