統一教会はどう世界に浸透したのか?ナチスの初期を真似た異端の全貌

 

米国での政治活動

当時、「統一教会」日本本部は「統一教会の主な活動は福音の宣布であり、いかなる政治目標も持たない」と公言していたが、教祖の文鮮明氏は自身が米国に乗り込む2年前の1969年に米国統一教会本部のネイル・サロネン会長に対して韓国や日本で行われていた大規模の反共、勝共活動を展開するよう指示を出していた。

文鮮明氏は1973年5月に行った演説で「政治と宗教は切り離せない。宗教と政治を切り離すのはサタン(共産主義)が一番望んでいることである。(中略)仮に米国が腐敗し続けるならば、そして我々の目的のために実際に役立つ議員がいなくなるようなことにでもなれば、我々(会員)の中から上院議員をつくることできる」と「統一教会」の政治介入の重要性を説いていた。(「ワシントン・ポスト」1976年9月27日付)

翌年の1974年にも「我々が強力にならなければ、この国(米国)を救うことはできない。おそらく3年もすれば、上院議員が豪華な自動車で我々の各州代表を迎えに来て、喜んで働くような日が来るであろう。韓国ではすでにそうなっている」(1976年6月22日の米下院フレーザー委員会公聴会でのロバート・ローランド元「統一教会」会員の証言)と豪語していた。

米国で反共活動を行う理由は、現代は神とサタンが最後の決戦を交える時代であり、従って米国を中心に日本、韓国がサタンを撃滅させなければならないという理屈で、サタンの第一の地位にあったのが北朝鮮で、その対決地点が38度線だった。

文鮮明氏はサタンに勝つには「反共の砦」である米国が強くならなければならず、神から与えられた使命に背いて韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)政権への援助を削減したり、駐韓米軍を撤収させたりしてはならないとの持論を展開していた。

これを裏付けるかのようにサロネン会長は1971年4月16日に来日した際の記者会見で「米国内での共産主義の活動はアジア共産主義の影響が濃い(中略)例えば、ブラックパンサーは米軍の韓国駐留はアジア侵略であるとのデマを流している」と述べ、駐韓米軍の撤退に反対する運動を起こす必要性を強調していた。

<中略>

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