ならば、尹大統領はこのような人だから、このような人だと思って(または知らずに)選んだのだから、このまま行くしかないのか。否、そういうわけにはいかない。尹大統領が変わらなければならない。大統領室から再構成しなければならない。いわゆる「輪郭」を整理しなければならない。
党内紛の収拾に乗り出さなければならない。何よりも国民がそれを「しろ」と選んでくれたんだし、また尹大統領が誰よりもうまくできること、すなわち左派政権で犯した過ちを掃除することから見せなければならない。大統領選挙で彼を指名した人々は「尹大統領が大統領になって、目立ったことは何で、変わったことが何なのか、さっぱり分からない」と言う。尹政府がためらっている大庄洞事件など司法当局の審判に上がっている不法を処理しない(またはできない)尹大統領に首を横に振っているのだ。候補の時は抽象的だったが、ひとまず大統領になってから考えが和らいだのか、それとも事情が変わったのか。
それがもし国会議席数の劣勢とバーター(barter=物々交換)するための政治的計算なら、尹大統領は大きなミスをすることになる。それが民主党勢力との「ガバナンス」云々することに意味があるのなら、彼らに巻き込まれることになる。
尹大統領は、これ以上ためらってはいけない。彼はまさに「偶然大統領」になった人だが、ここで失うものはない。人事も果敢に行ってほしい。そのようにためらって任命した教育部長官がどのような結末になったのか、尹大統領が直接その目で見ていたではないか(教育部長官が過去の不正のためもあり数日で自分から辞表を出した)。彼が左顧右眄(さこうべん=あれこれ周囲を気にして、なかなか決断をしないこと)すればするほど、左派はさらに攻撃の手を強めてくるだろう。すでに一昨日、民主労総が彼の韓米同盟観に食いついたではないか。
政・官にちらばっている検察出身や学校の同窓生は、尹大統領は「己のために」避けなければならない。尹大統領が側近政治、周辺政治に閉じ込められることなく、より広い政界に進むことができるように側近たちが身を引くべき時だ。
大統領という職分の人が懲戒中の自分の党代表から見下される状況は、これ以上傍観してはならない。結局、すべては彼のリーダーシップ問題に起因するものなのだから。「国民」は実体がない。選択に責任を負わない。責任を負う側はその選択を受けた人だ。
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