安倍晋三の祖父・岸信介が統一協会と結託した1960年代は、共産主義の脅威があったから「反共」で手を組んだのもやむを得なかったという見方もある。
だが、仮にそれが正しいとしても、現在において日本が共産化されるという脅威を感じている人など、どこにもいないはずだ。
もうイデオロギー闘争ではないから、反共は関係ない。中国やロシアですら、今や実質的には共産主義を捨てており、中国・ロシアとの戦いは共産主義との戦いではなく、「独裁権威主義」との戦いになっているわけで、現代において統一協会との協調点など、どこにもないのだ。
ところが保守派という連中は、今なお「反共」で統一協会と組んでいる。男女平等も、夫婦別姓、同性婚、反基地、脱原発も、全て日本共産党が賛成していることだから、共産党を敵として「反共」を掲げることで、辛うじて成立しているかのような形になっているのだ。
言ってみれば、共産党がいてくれるおかげで存在意義が維持できているようなものなのであり、統一協会は共産党に感謝すべきだろう。
そこまで無意味な「反共」のために統一協会と組み、「反共」であれば自虐史観でさえ許すという、転倒しまくっている連中が自民党・保守派・ネトウヨなのである。
「論破祭り」をやったおかげでいろんな情報がもたらされて、自称保守知識人・論壇から自民党・安倍政権まで全てがペテンで、統一協会と完全につるんでいたことが明らかになった。
安倍晋三が統一協会とベッタリの関係だったから、その子分の萩生田光一も安心して統一協会と「ファミリー」になっていたのだろうし、安倍の肝煎りで擁立した生稲晃子を落選させるわけにはいかないと、協会施設に連れて行ったのだろう。
その統一協会が何をやっている団体なのかということに、少しでも心を動かされることはなかったのだろうか?
わしは叔母が洗脳された被害者そのものの立場で、奪還作業までやったから、統一協会が「悪」だということが明確に分かっている。そして、そんな悪魔と平気で手を握れる奴がいるということがとても信じられない。
統一協会信者の家族などの被害者が語る惨状を聞けば、誰だって協会に対する憎悪を持つはずだ。
自民党の奴らには、なぜその憎悪が全く湧かないのか?もはや、人の心を失っているとしか思えない。票のために人の心を捨てた「餓鬼」と化しているのだ。
日本の自称保守はほとんどが統一協会である。
特に八木秀次は若い頃から頻繁に講演したりインタビューを受けたりしているのだから、これも「ファミリー」みたいなものだ。もはや、八木が統一協会を男系派に洗脳したのではなく、八木が統一協会の思想に洗脳されていたのだとしか思えない。
男系を唱えているネトウヨも、本当にそれがネットでウヨク気味のことを言っている一般人なのかどうかは分かったものじゃない。実際は「ネトウヨ=統一協会信者」だろう。あるいは、知らず知らずのうちに統一協会に洗脳されている者もいるだろう。
論破祭りと、安倍晋三殺害事件から注目されるようになった統一協会問題が奇妙にドッキングして、情報が次々明らかになっていき、男系固執派と統一協会はしっかりタッグを組んでいて、ほとんど一心同体になっているということまであぶり出されてしまった。
これはすごい功績であり、「論破祭り」は革命的な運動だったということになる。
今までわしは、男系固執派の中には極左が潜んでいると思っていたし、実際に極左もいるのだろうが、実は男系派を支配していたのは反日カルトだったのだ。
極左は、男系に固執すれば皇統は滅びるということが分かっていて全く自覚的にやっているはずだが、反日カルトもきっと同様であろう。
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