解説
アフリカには多くの国があり、ロシア批判で簡単に一枚岩になれるものではない。その理由の一つはロシアのソーシャルメディアでのキャンペーンである、との意見です。
もちろん、ロシアはそれ以上の事をしています。軍事的支援です。
ロシアは重要な武器供給国である。
ストックホルム国際平和研究所によれば、現在、ロシアはアフリカへの最大の武器輸出国で、2017年から2021年の間にアフリカ大陸で購入された武器の44%を占めている(ウクライナもアフリカのいくつかの国、特に南スーダンへの武器供給国である)。
ロシアは、国連の非難決議を棄権したアフリカ諸国の多くに、ワグネル・グループなどの傭兵部隊を通じて軍事支援も提供してきた。
米国はソマリアなどの国で戦うためにウガンダの兵士を訓練しているが、ウガンダは主にロシアから武器を購入している。
フランスの大盤振る舞いの恩恵を受けているカメルーンは、ロシアによるウクライナ侵攻の直後の2022年4月にモスクワと武器取引に調印している。
マリ、エチオピア、ウガンダなど、現在ロシアに軸足を置いている政府の多くも、ロシアの支援によって政治的な存続を図っている。
ロシアはすでにアフリカ諸国への武器供給を拡大することを約束しており、明らかに彼らの忠誠心を買おうとしている。
解説
現実問題としてロシアは多くのアフリカ諸国に軍事支援をしており、そのおかげで政権を維持できている国がある、という事です。
当然ながら、それらの国がロシアを非難するはずがありません。
しかしもっと大きな問題があります。西欧がアフリカに対して行ってきた歴史です。
西側諸国の指導者たちは、植民地時代や新植民地時代の暴力的な歴史をすぐに忘れてしまうが、アフリカ諸国はその結果に対処し続けている。
アフリカの脱植民地化の戦争は古代の歴史ではない。
2018年、ケニアの英国植民地政府の生存する犠牲者たちが、1950年代のケニア独立戦争中に抑留キャンプで耐えた拷問について、英国政府を訴えることに成功した。
今年6月、ベルギー政府はコンゴ民主共和国の初代首相パトリス・ルムンバが所有していた金冠の歯を被害者の子孫に返還した。
アフリカの国の多くにとって、共産主義は西側諸国の植民地主義に代わるものであり、20世紀の独立運動の基盤であった。
冷戦時代、アフリカの戦争の多くは、ソ連とアメリカの代理戦争だった。
西側諸国は認めようとしないが、アンゴラ、コンゴ民主共和国、モザンビークなどでの紛争の遺産は、アフリカ大陸の多くの地域に長い影を落とし続けているのである。
アフリカ人が西洋と東洋の戦争に参加するよう求められたとき、国々は荒廃し、何百万人もの人々が死んだのである。
政治哲学者のフランツ・ファノンは、アフリカ諸国にとって、中立を保つことは生き残るために必要なことだと主張した。
この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ