統一教会元信者のジャーナリストが指摘。自民党「自己点検」アンケートの大嘘

 

私がすぐに反応したのには、理由があります。この人物の祖父は、1974年5月帝国ホテルで「希望の日」晩餐会にて、文鮮明教祖と堅い握手をかわした福田赳夫大蔵大臣(当時)です。彼は「アジアは今、偉大な指導者を得ることができました」と教祖を賛美しています。このビデオを見せられたことが、私の入信に大きな力を与えたのも事実です。ですので、「福田」と聞くと、過敏に反応してしまうようになりました(全国の福田さん、ごめんなさい)。

【驚くべきアンケート結果の回答】

今回行われた「自己点検」という、どうとでも答えられるアンケートでさえ、179人の数字であり、教団がこれだけ食い込んでいたことで、問題の波紋は大きくなっています。もう「何が問題かわからない」とは言わせません。さて、これからはアンケートで嘘をついた議員たちをどう暴いていくかが、目下の懸案です。

そもそも、選挙ボランティアが入口になって旧統一教会の関連団体とつながった人は多いはずなのに「選挙におけるボランティア支援」の17人はおかし過ぎます。教団関連団体への会合出席が102人ですが、本来、これと同じ位か、上回るべきです。入口より、出口が多いというわけのわかない数字結果になっています。

選挙ボランティアにかかわった信者らの多くはやめていますので、嘘をついた議員は、首を洗ってまっていてください。

【福田康夫元首相の行動で溜飲を下げる】

その後、私は福田越夫氏の息子・福田康夫元首相の行動で溜飲を下げました。福田康夫元首相は、消費者庁の立ち上げにかかわり、消費者被害を回復する道筋をつけてくれました。詐欺・悪質商法のジャーナリストとして、その父・越夫氏の過去の行為を不問に付すことにしました(全国の福田さんの名誉は、私のなかで回復されました)。

しかしその孫である、福田達夫元総務会長がまた「何が問題かわからない」と発言をして、教団寄りの姿勢を見せました。被害者を見ようとしない、父とは違う姿勢にがっかりした思いです。次に何を話すのか。福田達夫氏の言動から、個人的に目が離せなくなっています。

さて、今月5日から30日まで「旧統一教会」問題の合同電話相談窓口が開設されました。内閣官房、警察庁、法務省、消費者庁、総務省、文部科学省、厚生労働省が加わり、各省庁合同の相談電話になっています。5日間で1000件を超える相談があったとのことです。その中身に注目が集まっています。

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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