最近は男性の更年期障害が増加したとの報告もあり、その要因にもコロナ禍における人と関わる機会の喪失の影響が指摘されています。また、知人の医師によると、コロナ禍で増えた「気象病」患者の中には、更年期障害に該当する人も少なくない、とか。「天気のせいだけにしてしまうと、深刻な状況になるリスクが高まるので、きちんと治療をしてほしい」とのことでした。
男性の更年期障害については、本メルマガの「50歳からの本音相談室」でも取り上げていますが、欧米を中心に研究が蓄積され、現在はLOH症候群(加齢性腺機能低下症)という名称で呼ばれています。一般的に女性の更年期は、閉経期をはさんだ数年間であるのに対し、男性更年期障害は40歳以降から始まり、女性より長期間つらい思いをすることもあるとされています。
男性の更年期障害に関する知識、情報は、女性の更年期障害以上に不足していることに加え、性欲が減退したり、ED(Erectile Dysfunction)に陥ったり。そういった症状に自信を喪失し、抑うつ傾向が強まるケースも少なくありません。50代、60代になると社会的な要因もストレスになるため、更年期障害を発症しやすいこともわかっています。
いずれにせよ、気象病も更年期障害も、「なんとなく具合が悪い」症状なので、見過ごされがちですが、頭痛、倦怠感、眠れない、やる気が出ないと感じたら、きちんと医師の診察をうけてください。うつや睡眠障害などの症状に発展し、「命」の問題にもつながる危険もあるので、くれぐれも軽くみないこと。
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