バイデンも頼りにならず。すでに3選確実な習近平を前に無力な岸田首相の情けなさ

2022.09.29
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前例のない「国家主席3期続投」を目指していた習近平氏ですが、もはやその座は確実なものとなったようです。政治ジャーナリストで報道キャスターとしても活躍する清水克彦さんは今回、習近平国家主席が3期目を勝ち取ったと見られるさまざまな「状況証拠」を紹介。さらにこの先、権力を強化した習氏が日本の前に「アジアの怪物」として立ち塞がる可能性を指摘するとともに、国民からの信頼を失った岸田首相では到底太刀打ちできないとの見解を記しています。

清水克彦(しみず・かつひこ)プロフィール
政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師。愛媛県今治市生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得期退学。文化放送入社後、政治・外信記者。アメリカ留学後、キャスター、報道ワイド番組チーフプロデューサーなどを歴任。現在は報道デスク兼解説委員のかたわら執筆、講演活動もこなす。著書はベストセラー『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)、『台湾有事』『安倍政権の罠』(ともに平凡社新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)、『人生、降りた方がことがいっぱいある』(青春出版社)、『40代あなたが今やるべきこと』(中経の文庫)、『ゼレンスキー勇気の言葉100』(ワニブックス)ほか多数。

3選をほぼ手中にした中国・習近平。日本の岸田首相では太刀打ちできない厳しい現実

着々と進む習近平総書記3選への布石

習近平総書記の3選がかかる中国共産党大会(10月16日開幕)まで3週間あまりとなった。

党大会では、最高規則である党規約を改正し、習近平総書記(国家主席)の権威を高める表現が明記される可能性が高い。

すでに、党中央政治局は今月9日の会議で、党規約に重大な戦略思想を盛り込む方針を確認した。

5年前の2017年10月、2期目に突入した党大会では、「習近平新時代の特色ある社会主義思想」が明記された。これが、習近平総書記個人崇拝への起点ともなった。

北京からの情報によれば、3期目に入る今回の大会では、「毛沢東思想」と同様、「習近平思想」という言葉や、これまで毛沢東にしか使われてこなかった「領袖」という呼称が、党規約の中に色濃く打ち出されるものとみられる。これらは、習近平総書記を、建国の父、毛沢東と同格に扱うことを意味するものだ。

不協和音を排除した習近平

中国では、厳格な「ゼロコロナ」政策に伴う行動制限への不満や低迷する経済への不安が根強い。ウクライナ侵攻で批判を浴びるロシアと共同歩調をとっている外交面への懸念もある。本来であれば、異例の3選に「待った」がかかるところを、習近平総書記は乗り切った。

通常であれば、8月上旬から中旬にかけ、河北省の北戴河で開かれた中国共産党の元指導者(江沢民政権や胡錦濤政権を支えた最高幹部)ら長老たちが集まる会議で、3選への批判が噴出しかねない状況であった。

しかし、習近平総書記は、アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が台湾を電撃訪問したことへの対処を理由に、途中から参加し、「台湾統一は志半ばであり、もう1期続ける」と宣言したとされる。

長老たちも、アメリカの台湾関与の姿勢を見せつけられては「引退勧告」はしにくく、習近平総書記3選が固まったというのが、今年の北戴河会議の顛末である。

北戴河会議の直後、習近平総書記は、遼寧省錦州市にある遼瀋戦役革命記念館を訪問した。遼瀋戦は中国共産党と中国国民党による国共内戦の1つである。

私は、習近平総書記が、会議の後、最初にこの記念館を訪問したことについて、「自分こそが毛沢東路線の継承者であり、自分の代で必ず台湾統一を実現する」と誓ったものと受け止めている。

中国の国内メディアが、習近平総書記を礼賛し、最高指導者として君臨してきた2期10年の成果を強調し始めたのはこの頃からである。

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