北朝鮮食堂で働く女性5人が連続脱北。彼女たちを掻き立てたものは何か?

a man with a shoes and travel bag is standing on asphalt next to flag of North Korea and border
 

朝鮮日報が入手した手紙を見れば、韓国僑民B氏はA氏に「オッパ(お兄さんの意でここでは僑民B氏をさす)は○○(A氏=北朝鮮女性)が自由なところできれいに最高の女性として生活してほしい」「堂々とした大韓民国の女性として他人の視線を気にせずに手を握って歩きながらおいしい食べ物も食べて街を闊歩したい」「愛している」と書いた。

彼はまた「故郷に帰って一生の困難と監視・統制の中で生きるよりは、韓国生活は基本だけちゃんとやって生きても自由と人権、人の権利、すべてが保障される社会だ。君が少しでも努力すれば、いくらでも自由に暮らせる」と話した。

その一方で、B氏は韓国定着が容易ではないという点に言及した。彼は「最初から韓国生活がパラダイスのように楽で簡単ではないけれど、少し大変な時期さえ過ぎれば適応し、本当によく来たなという気がするだろう」と話した。また「多少のお金を送るから、靴の下敷きの下に左右両側に分散して入れておきなさい」「大使館に到着したらテレグラムを使って私に連絡しなさい」のような説明もした。

彼はコンピューターで作成して出力したA4用紙2枚分量の手紙にこのような内容を盛り込んで、手紙下段の空白にはボールペンで大使館略図を直接描いた。手紙の文には韓国語の正書法に合わない部分がいくつかあった(僑民として生きているため韓国語の厳密な正書法に精通していないといった意味か。韓国語は、まともに書こうとするとかなり難しい)。

以後、A氏は5月にこっそり食堂を抜け出して韓国大使館に逃げ込み亡命意思を明らかにしたという。その1か月後の6月、他の従業員1人も同じ方法で脱北したのに続き、8月には残りの職員3人が一緒に亡命の途についた。

現地同胞によると、A氏に続き他の従業員1人が「行方不明」になった時、北朝鮮保衛部が急派され調査を行った。この過程で、残りの女性従業員3人は強制帰国措置を受けた後、極刑に処されかねないという恐怖を感じ、脱北を決心したという。情報当局によると、これら5人全員が無事入国し、合同調査を受け、韓国に安全に滞在しているという。

 

print
いま読まれてます

  • 北朝鮮食堂で働く女性5人が連続脱北。彼女たちを掻き立てたものは何か?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け