「統一教会」名指しも裏目。岸田首相“棒読み”所信表明演説の無内容

 

それなのに、後半の「成長のための投資と改革」の項目に到ると、突然「GXの前提となるエネルギー安定供給の確保については、ロシアの暴挙が引き起こしたエネルギー危機を踏まえ、原子力発電の問題に正面から取り組みます。そのために、十数基の原発の再稼働、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設などについて、年末に向け、専門家による議論の加速を指示いたしました」などと言い出したのです。

「GX」とは「グリーン・トランスフォーメーション」、「再生可能エネルギーへの移行を始めとした先進的な改革」のことなのに、そのために「原発の再稼働と新増設を進める」って、はぁ?福島の復興を語った同じ口で、ダイレクトに原発の新増設など語れないのは分かりますが、だからって「再生可能エネルギーへの移行のために、まずは原発の再稼働と新増設を進める」って理屈、あまりにも無理があり過ぎです。

剥いても剥いても次が出て来るラッキョウのような旧統一教会の問題と、国民の6割もの反対の声を無視して強行した安倍元首相の国葬によって、各社の世論調査では内閣支持率が軒並み急降下、中には危険水域の30%を割り込んだ媒体もありました。そんな中での所信表明ですから、できれば内閣支持率を少しでも回復させたい。せめて、これ以上は下げたくない。

そのため、「原発」という言葉を徹底的に避けたことからも分かるように、今回は言葉選びが慎重でした。たとえば、所信表明では「旧統一教会との関係については、国民の皆様の声を正面から受け止め、説明責任を果たしながら、信頼回復のために各般の取り組みを進めてまいります」と述べましたが、草案の時点では「現在社会的に問題が指摘されている団体」というお茶を濁した表現でした。それが、本稿では「旧統一教会」と明確に名指しする文面に変更されたのです。これは「この期に及んで旧統一教会を擁護するのか!」という国民からの批判を恐れての姑息な変更でしょう。

しかし、この信頼回復をかけた「旧統一教会」の名指しも、これまた裏目に出てしまいました。それは、同じ3日、岸田首相を上回る「おとぼけおじさん」こと山際大志郎経済再生相が、2018年に旧統一教会の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁と会っていたことを認めたからです。それも、これまでと同様に「写真を見て思い出した」という大嘘の説明。呆れ果て過ぎて、開いた口からエクトプラズムが流れ出して幽体離脱しちゃいそうです(笑)。

10年も20年も前だったとしても、何度も出席している教団のトップと会って挨拶していれば忘れるはずなどないのに、たった4年前のことも覚えていないなんて、こんな人物に「経済再生」など絶対に不可能です。まずは大臣も議員も辞職して、自分の記憶力が「再生」されるまで、治療に専念してほしいと思います。

それから、こんな大嘘つきのイカサマ大臣を更迭できない岸田首相にもガッカリです。所信表明で「旧統一教会」と名指しした上で「信頼回復のために各般の取り組みを進めてまいります」と述べるのなら、まずは山際大志郎や萩生田光一を始めとしたディープ過ぎる教団関係者を閣僚や党幹部から完全排除し、旧統一教会と接点のない議員だけで組閣し直すのが第一歩ではないでしょうか?

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