4.2009年からのコンプラインスの内容がようやくわかったけれど、教会改革はまず難しい
先月の教団の会見から、2009年からのコンプラインスの内容がわかりました。しかし、この内容では、正直、教会改革は難しいです。
不祥事を起こした会社が本気で組織の改革をしようとすれば、第三者を入れて取り組むと思いますが、教団においてはそれができません。教義上、外部からの意見を聞くことは、サタン側の声を聞くことになるからです。教団へのサタンの侵入を許す結果になります。
旧統一教会の思想は、善と悪に分けて考えます。教義を知って信仰している自分たちは神の側(善)であり、教義を知らない人たちはサタン側にいる人間(悪)なので、救わなければならない存在としてみています。
第三者の意見を聞くことができない教えでは、教団の改革など難しいといわざるをえません。
私はマスコミ報道の問題点をあげつらう時間があれば、それと同じくらいに、正体を隠した伝道手法の問題についての見解がほしかったと思っています。
というのも、人を誘うことでお金を生み出す仕組みが、これまでの教団におけるやり口だからです。
報道特集(TBS)のなかで、母親が信者で多額の献金をして、家庭が崩壊して、そのもとで育った男性が自殺したという悲しい事件をみました。こうした事例は、まさに誘われて信者になった人が多額のお金を持ち出した結果です。
母親がどのようにして勧誘されて、献金にまでいたったのかは、わかりませんが、おそらく最初は旧統一教会とは告げられていないと考えています。百歩譲って「家庭連合」くらいは言っているかもしれませんが、この「家庭連合」という略称を聞いて、誰が宗教団体への入信につながると思うでしょうか。
つまり、誘われる段階で宗教団体への入信のきっかけになるとは思っていないケースがほとんどです。母親の入信の結果、信仰2世と思われる息子は自殺にまで至っています。こんな悲しいことはありません。もう入口における、ごまかしを用いた不当な勧誘手法はやめて頂きたいのです。
勧誘時には「家庭連合」という略称だけでなく、自分たちがが旧統一教会という宗教団体としての勧誘をしていることもしっかりと伝える。名称をごまかした形で勧誘することは、必ず悲劇を生み出します。
しかし教義の根本には、神のためなら多少の嘘をついても良いという教えがありますので、この手法が続く懸念を強く持っています。
教団が表面だけをいくら変えようとしても、1980年代に起きた霊感商法のような被害を引き起こす火種は残っていて、一刻も早く宗教法人の解散という外からの力で、本当の教会改革を促すことが必要だと考えます。
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