TikTokでインフルエンサーが紹介したものが売れる「TikTok売れ」。広告業界が見逃すはずはなく、アメリカでも「#TikTokMadeMeBuyIt」のハッシュタグで多くの広告が投下されているようです。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では、著者で人気ブロガーのりばてぃさんが、TikTokを利用した広告の増加に関するレポートを紹介。単発的、突発的に広がる特徴が似ている点から、テレビCMの売上に影響が出ている可能性を伝えています。
この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ
SNSとTVCMの広告事情
広告専門誌のAdAgeが調査会社CreatorIQの最新データを伝えてまして、同社が今年8月に計測したブランドキャンペーンの半分以上の52%がTikTokインフルエンサーを活用したものだったとのことです。昨年8月は31%だったので、かなり増加しているのがわかります。
● ティックトックでのブランドキャンペーンが増加中!(The TikTok effect on influencer marketing, by the numbers: Datacenter Weekly) | Ad Age Data News
たしかに若い世代がTiktokを使うだけでなく、コロナ禍で中年世代にまで影響が広がったことで、TikTokで流行っているものへの関心は以前よりもぐっと高まっている印象です。うちのデータサイエンス会社でもTikTokトレンド対応を進めているところではあります。
またTikTokは流行り廃りが激しいので、単発的で突発的な広がりで影響を高めたいブランドやメーカー側としてはTVCMに近いようなイメージで活用できるのかも?
一方、クリエイター視点としてはTikTok上で注目されてもぱっとすぐに散ってしまう。飽きられるのも早かったり、他の注目の人が出やすいのもあるので、じっくりファンを増やすというイメージはあまりないような気もしますがどうなんでしょう。その点ではYouTubeやブログといったじっくりコンテンツを作っていく方が長期的には影響力を高められるのではないかと思います。
なお、Tiktokでの注目すべきハッシュタグは #TikTokMadeMeBuyIt で、これにタグ付けされたすべてのTikTokコンテンツが対前年比164%増、参加するブランド数は対前年比83%増だったのとのことです。
こうなってくるといよいよTVCMの方は不調なのでは?と予測できるわけですが、実際若干の落ち込みがみられるようです。
同じくAdAgeの記事によると、地上波放送でもっともCM価格が高いのが、特に今のシーズンはアメリカンフットボール関連ですが中でもNBCの「サンデーナイトフットボール」です。日曜の夜は家で家族と友達とはたまた1人でビールとポテチやピザ片手に観戦を楽しむアメリカ人という感じでしょうか。
そんな人気番組の2022-23年シーズンの30秒間CM価格は約83万ドル(1ドル148円で1億2300万円)。当該記事によると、視聴者がストリーミング配信にシフトしていることで価格は低下しているとのこと。
他の主な地上波局の昨シーズンから続く番組の広告を計測したところ61の番組の30秒広告が昨シーズンと比べて5%以上低下。20は比較的同程度、11は5%を超える値上げだったとのこと。
TikTokにも広告費がかなり流れているようなので理解できる範囲での変化なのかなと思います。
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