ミサイル連発の北朝鮮が得た、ロシア軍冬装備の縫製という“金脈”

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毎朝の目覚まし時計かのようにミサイルを連発する北朝鮮。経済制裁が続く状況下で、資材や燃料を調達する外貨をどこから得ているのでしょうか。メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で、国際政治経済学者の浜田和幸さんは、平壌で開催された大規模なファッションイベントに注目。ロシア大使も訪れ縫製技術を絶賛していたことから、ロシアで不足する冬装備の軍服や軍靴を北朝鮮が提供するとの噂の信憑性は高いと伝えています。

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北朝鮮で大規模な女性向けファッションイベントが開催

ぶっちゃけ、北朝鮮と言えばミサイル発射というイメージですが、ミサイルの連続発射には莫大な資金が欠かせないわけで、その手当をどう行っているのか疑問山積です。国際社会による経済制裁が強化される中、金正恩体制は必要な外貨をどのように工面しているのでしょうか。

実はウクライナ侵攻で苦戦を強いられているロシアに対して武器や弾薬を提供することで外貨を得ているのではないかとアメリカ政府は指摘しています。

これに対して、北朝鮮は真っ向から反論し、「そのような事実は全くない」と主張。そんな中、「ラジオ・フリー・アジア」はピョンヤン市内の縫製工場を中心に、多くの工場でロシア軍のために防寒服や靴の生産が急ピッチで進んでいると伝えました。

この11月2日から北朝鮮とロシアの間を結ぶ鉄道による輸送が再開されており、ロシア軍向けの軍服は最優先品目になっているようです。これから厳寒の季節を迎えるウクライナに派遣されるロシア兵にとっては分厚い下着や防寒具は必要不可欠なもの。しかし、ロシア国内では生産が間に合わない模様。急遽30万人の兵員を徴集したものの、約束した給料のみならず、満足な冬向けの装備も提供できていないのがロシアなのです。

そこで俄然ビジネスチャンス到来と勢いずいているのが北朝鮮に他なりません。日本では報道されませんでしたが、ピョンヤンではこの10月27日から11月9日まで「婦人服展示会2022」と銘打った大規模なファッションイベントが開催されました。540ものブースが軒を連ね、欧米風のファッションが展示され、来場者は3Dを駆使した模擬試着コーナーを体験していたようです。ハンドバッグや香水も取り揃えられており、30代から40代の富裕層の女性には大人気を博したとのこと。

注目すべきは在ピョンヤンのロシア大使も見学に訪れ、「素晴らしい」と絶賛し、「ロシアにも提供してもらえば、わが国の女性たちも大喜びするだろう」と述べていました。要は、北朝鮮のデザイン力や縫製技術にお墨付きを与えた形です。ロシアの思惑とすれば、これだけ素晴らしい縫製技術があるわけだから、ウクライナに派遣するロシア兵の防寒具も満足度の高いものが期待できるということでしょうか。

既にロシアからは大量の素材が届いており、北朝鮮では1か月前からロシア兵用の軍服の製造が始まったと言われています。一事が万事。経済制裁の抜け道は至る所に潜んでいるようです。

ぶっちゃけ、ロシアからの注文殺到で金正恩総書記はウハウハ状態に違いありません。

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