劇場版スラムダンクが“大炎上”?往年のファンが「声優交代」以上に許せなかった理由が判明

2022.11.14
by たいらひとし
 

炎上の一方、声優交代に「擁護派」も。その理由とは?

一方、この声優交代に憤る声を「単なる老害だ」と一刀両断する声も。

確かに、アニメファンには声優で見る映画を選ぶ人も多いため、人気声優をキャストに据えるのは観客動員の重要な要素だ。そもそもオリジナルを知らない若い世代は、キャラの声に先入観はない。登場人物は高校生なので、声に老いを感じるとイメージにも合わないのは当然だ。

今回の声優交代やフルCGでの製作は、井上監督の意向が強いといわれている。そもそもテレビアニメ版は原作をすぐ消化してしまうため、オリジナルエピソードも多く作られていた。作品に対してこだわりが強い井上氏が、そうしたアニメ製作の姿勢に不満を持って打ち切りになったという噂まである。再アニメ化に際して、テレビアニメのイメージを払拭するために、フルDGと声優一新を推し進めたのかもしれない。しかし、テレビアニメ版は井上氏の手を離れて、既に「ファンのもの」になってしまったのだろう。

スラムダンクは「第2のAKIRA」になるか?

ディズニーに憧れて自らプロダクションを立ち上げ、テレビアニメ第1号「鉄腕アトム」を作った手塚治虫氏は例外として、漫画家が自らの原作を監督し、成功した例は数少ない。

その中でも、大友克洋氏は漫画「AKIRA」を自ら監督して映画アニメ化し大成功している。その後、大友氏はアニメ製作に活動をシフト。大友氏の漫画は元々映像的であり、アニメ化に適していたのだろう。

「SLAM DUNK」だけでなく「リアル」「バカボンド」など井上氏の作品も非常に映像的で、わずか1分弱の予告だけで、その非凡な映像感覚に驚かされる。炎上しても映画館に足を運ぶのは、作品やそのダイナミックな絵に惚れた本当の井上雄彦ファンに違いない。いくら炎上しても、作品さえ良ければまわりは黙る。今回の作品が、炎を蹴散らす傑作であることを期待したい。

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image by: Quercus acuta, CC0, via Wikimedia Commons

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