インフルエンザと同時流行か。コロナ第8波で懸念される新変異株

 

新型コロナとインフルエンザ、同時流行の可能性

もう一つ懸念されているのが、冬にかけて新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行する可能性だ。

「10月から来年3月の半年間に、新型コロナの流行拡大と季節性インフルエンザの流行が発生する可能性は極めて高い」

10月5日、新型コロナの対策に当たってきた専門家が連名で、この先の見通し示す文書を厚生労働省の専門家会合に提出(*7)。

水際対策の緩和や過去、2シーズン、国内でインフルエンザの流行がなかっため、免疫を獲得している人が少ない。

また日本とは季節が逆で、インフルエンザの流行の時期が半年ずれる南半球のオーストラリアでは今年、2年ぶりにインフルエンザが流行した。コロナ禍が始まる前、毎年の冬には、季節性インフルエンザが流行していた。

ひとつのシーズンで1,000万人が感染し、多い年には2,000万人が感染していた。

インフルエンザは東南アジアやアフリカなどの地域では年間を通じて、感染が広がっている。それが国際的な人の移動とともに各国へ流れ、とくにウイルスが広がりやすい冬の時期に大規模な流行が起こる。

コロナのワクチンもインフルエンザのワクチンも、感染をある程度防ぐほか、とくに“重要化”を防ぐ効果は極めて高い。

一方、感染死“納体袋”取りやめる動き 「遺体からの感染の可能性低い」

一方、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の遺体を納める「納体袋」の使用を取りやめる医療機関や葬儀会社も出ている。

国は、感染対策の指針で納体袋の使用を求めているが、遺体からの感染の可能性はほぼなく、遺族への配慮のためでも。

国の指針により全国でも、医療機関や葬儀会社の大半は、遺体を納体袋に納めているとみられる。しかし、静岡市立静岡病院感染管理室長の岩井一也医師は、毎日新聞(2022年11月5日付朝刊)の取材に対し、

「遺体から感染することはほぼなく、指針の変更や撤廃をすべきだ」

と話す。

静岡病院では院内での協議を経て、今年の3月から、感染者の遺体を納体袋に入れずに葬儀会社に引き渡している。その際は、「特別な感染対策は不要」という依頼書を添え、理解を求めた。

説明も重ね、現在では8割の葬儀会社が応じているそうだ。

国の指針は、厚生労働省と経済産業省が2020年7月にまとめたもので、医療従事者や葬儀会社らの対応を示したもの。

これによれば、遺体を、体液が染み出さない非透過性の納体袋に納めるとし、接触感染を避けるため袋を開けて遺体に触れるのも控えるよう求めている。

しかし、WHO(世界保健機関)は

「遺体の曝露から感染するという根拠はない」(*8)

とする。

引用・参考文献

(*1)「【速報】尾身会長『新しい波に入りつつある』新型コロナ第8波に言及」FNNプライムオンライン 2022年11月10日

(*2)倉橋優「新型コロナ第8波のピークはいつ? 先行指標『発熱相談件数』『検査陽性率』が増加 医療逼迫は防げるか」Yahoo!ニュース 2022年11月6日

(*3)「厚生労働省の新型コロナ専門家会合 新型コロナ “第8波”は来る? 来るならいつ? 専門家の分析は」NHK 2022年10月18日

(*4)倉橋優 2022年11月6日

(*5)「【解説】“新変異”の『ケルベロス』『グリフォン』って?コロナ第8波はすでに準備段階に!?専門家が感染拡大の要因を分析」MBS NEWS 2022年10月24日

(*6)MBS NEWS 2022年10月24日

(*7)「新型コロナとインフルエンザ 同時流行の可能性 どんな事態が?」NHK NEWS WEB 2022年10月13日

(*8)村田拓也「コロナ弔い 最後の別れを」毎日新聞 2022年11月5日付朝刊

(『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』2022年11月13日号より一部抜粋・文中一部敬称略)

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伊東 森(いとう・しん): ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。 1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。 高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

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