韓国「西海公務員殺害事件」捜査の手が文在寅に伸びるまで“秒読み段階”へ

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前回の記事「やっと出た文在寅時代のウミ。韓国「西海公務員射殺事件」検察捜査は最終段階へ」では、文在寅政権の「ツートップ」への捜査が進んでいることを紹介した、韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』。更に急ピッチで進む捜査について、今回の記事でも紹介しています。

西海公務員殺害事件、捜査が急ピッチで進む

西海(黄海)殺害事件関連で、2020年下半期文在寅政府の「ツートップ」だったノ・ヨンミン元大統領秘書室長とソ・フン元青瓦台国家安保室長に向けた検察捜査が速度を上げている。ソ・フン拘束については前号でお伝えした。

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ソウル中央地検反腐敗捜査2部(金ヨンチョル部長検事)は、ノ・ヨンミン前室長を業務妨害の疑いで立件した後、出国禁止にしたことが4日、確認された。ノ・ヨンミン前室長は、共に民主党の李正根(イ・ジョングン)前事務副総長(収監中)がCJグループ系列会社に就職する過程で影響力を行使した疑いが持たれている。

一方、ソウル中央地裁のキム・ジョンミン令状専担部長判事は3日午前5時頃、文在寅政府の外交安保司令塔だったソ前室長に対して「犯罪の重大性、被疑者の地位および関係者らとの関係に照らして証拠隠滅の恐れがある」として拘束令状を発行した(前号の内容)。ソ前室長は、検察が身柄を確保した初の文在寅政府、大統領府の最高位級人物だ。

ソウル中央地検・公共捜査1部(李煕東部長検事)は5日、ソ前室長を拘束後初めて呼んで取り調べる。検察はソ元室長らを調査し、朴智元(パク・チウォン)元国家情報院長ら他の外交安保ライン高官らが関与しているかどうかを究明する方針だ。捜査経過によっては、文元大統領に対する検察の直接捜査の可能性も排除できないという観測が出ている(当然文も捜査の対象となるはず)。

徐勳(ソ・フン)前室長の拘束と盧英敏(ノ・ヨンミン)前大統領秘書室長に対する出国禁止をめぐり、文在寅政府、大統領府をターゲットにした検察捜査が一層本格化するシグナルだという見方が出ている。法曹界では今後、文在寅を含め、前政権の大統領府関係者に対する検察の圧迫がさらに強まるだろうという観測が提起されている。

ソ前室長の拘束で動力を確保した検察は、年内に事件の捜査を終わらせることを目標に捜査速度を高める方針だ。検察は事案の重大性と当時の対北朝鮮安保政策コントロールタワーだったソ前室長が事件で占める比重が高いという点を裁判所が認めたと見て、ソ前室長の取り調べが終わり次第、徐旭(ソ・ウク)前国防部長官、金弘煕(キム・ホンヒ)前海洋警察庁長らとともに起訴する方針だ。

ソ前室長は海洋水産部公務員の李デジュン氏(死亡当時47歳)が殺害された翌日の2020年9月23日午前1時頃、大統領府関係長官会議を主宰し、徐旭(ソ・ウク)前国防部長官、朴智元前院長らに関連情報を削除するよう指示した疑い(職権乱用権利行使妨害)などを受けている。

しかし、朴智元前院長は「(ソ・フン当時)安保室長から情報削除の指示がなく、私も国情院に指示しなかった」と容疑を否認している。パク元院長はソ元室長拘束直後フェイスブックを通じて「これは違う!」として「保釈、在宅起訴で司法府の判断を受けるよう尹錫悦大統領の勇断を期待する」と書いた。検察は近く朴前院長を被告発人の身分で呼んで取り調べる方針だ。

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