国内失政を挽回か。サウジとインドネシアを「一帯一路」に取り込む習近平の思惑

shutterstock_1353005396
 

突然のゼロコロナ政策の緩和で混乱が続く中国。その責任が問われても不思議ではない習近平国家主席ですが、国際社会での存在感はむしろ高まっているようです。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、サウジアラビアやインドネシアで次々と巨大工事を受注するなど、海外で活発化する中国の動きを紹介。その一方で彼らの後塵を拝することしかできない日本の行く末を、悲観的に記しています。

この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ

購読はこちら

 

サウジアラビアやインドネシアを一帯一路に取り込もうとする中国

ぶちゃけ、中国の習近平国家主席の動きが活発化し、世界の注目を集めています。

国内ではゼロコロナ政策への反発が強まっているため、目を海外に向けようとしているかのようです。

12月9日にはサウジアラビアの首都リヤドで初の「中国アラブ首脳会議」を開催しました。

中東諸国を中心に30か国の元首と面談した習主席ですが、特にサウジアラビアとは300億ドルを超える経済協力案件に署名。

これまでサウジアラビアはアメリカとの経済、軍事的結び付きが強かったのですが、このところ急速に中国との関係強化に走っています。

サウジと中国の貿易額は873億ドルに達し、この1年で40%近くも急増。

対してサウジとアメリカの貿易額は290億ドルに急落しました。

しかも、中国はサウジから輸入する原油の代金決済は、それまでのドルではなく人民元で行うようになっています。

中国が主導してきたBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の枠組みにサウジアラビアも加入することが確実視されるようになりました。

そうした動きを象徴するのが、サウジアラビアを南北、東西に結ぶ高速鉄道を中国が建設していることです。

更には、「ライン」と呼ばれる巨大な新都市建設計画も進行中です。

2030年に第一期工事が完成する予定ですが、170キロに及ぶ新都市には900万人が暮らすとのこと。

大半は地下部分になる模様ですが、全ての設計から建設まで中国が請け負っていると言われています。

一方、イドネシア政府が水没の危機に瀕しているジャカルタからヌサンタラへの首都移転計画を発表。

この遠大な構想の実現に関しても、頼みの綱は中国と言われています。

インドネシアは中国に対しては新幹線計画の大幅な遅れによって不信感を募らせてきました。

その汚名挽回のためにも、中国は積極的な資金と技術の提供をジョコ大統領に申し出ているわけです。

残念ながら、サウジアラビアでもインドネシアでも日本は中国の後塵を拝しています。

どうやらアメリカからの圧力を受け、中国との協力案件は極力控える方向のようです。

ぶちゃけ、これではアメリカと共に水没する運命になりかねません。

この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ

購読はこちら

 

image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

浜田かずゆきこの著者の記事一覧

かつて人気を博したニッポン放送オールナイトニッポンの「世界びっくりニュース」を彷彿とさせるべく、フランクな語り口で、知られざる内外の『ぶっちゃけ話』をお届け致します。

例えば…
「爆買い」中国人観光客を上回る金額を日本で消費している国がある!?
「発明王エジソン」の遺言を頼りに、無料の無限エネルギー開発に成功した企業がある!?
「不動産王」にしてアメリカ大統領候補トランプ氏に、北方領土問題解決の秘策あり!?
…その他耳よりの情報が満載!

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 』

【著者】 浜田かずゆき 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 国内失政を挽回か。サウジとインドネシアを「一帯一路」に取り込む習近平の思惑
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け