米メディアによると、バイデン氏のワシントンの個人事務所で見つかった機密文書は約10件で、私邸にあった分も「少数」であるという。他方、トランプ氏の邸宅であるマールアラーゴからは300件以上もの文書が見つかった。さらにトランプ氏の場合、国立公文書館(NARA)の指摘で判明。引き渡しを求めたNARAには非協力的であった。
一方、バイデン氏の場合、個人事務所の閉鎖作業中に機密文書が見つかり、すぐにNARAに連絡して引き渡したと説明。ただ、昨年11月2日に個人事務所で文書が見つかった後、今月9日にメディアが報道するまで公表はしなかったことは事実。
今後の焦点 アフガン撤退 バイデン氏次男の疑惑
今後の動向は先の中間選挙で多数派を奪還した共和党の動きだ。下院の外交委員会のマコール委員長(共和党)は、2021年8月のアフガニスタン駐留米軍撤退をめぐる混乱について、国務省の対応に対する調査を開始した。
同時に、司法省が今回のバイデン大統領の機密文書持ち出し問題、さらに監視・説明責任委員会がバイデン氏の次男の疑惑の調査にそれぞれ乗り出しており、共和党によるバイデン政権への追及が本格化する。
マコール氏は、12日付の国務省宛ての書簡で、「バイデン政権による大混乱の米軍撤退により、敵対勢力は勢いづき、アフガンは再びテロリストの温床となった」(*3)と批判。国務省に対し、アフガン駐留米軍撤退に関する資料を今月26日までに提出するよう求めた。
また、バイデン氏の次男であるハンター氏が外国の企業から多額の報酬を受け取っていた疑惑についても、監視・説明責任委員会が11日、財務省に対し、銀行取引などについての資料を提出するよう求めている。
同様に、今月13日には、司法委員会がバイデン氏の機密文書が個人事務所や私邸から見つかった問題でも、司法省の関連する資料を提出するよう要求した。
■引用・参考文献
(1)機密文書問題、バイデン氏も捜査 特別検察官任命 私邸からも「少数」発見 |西日本新聞me(2023年1月14日付)
(2)米、機密文書問題で本格捜査 特別検察官任命、大統領打撃に|47NEWS(よんななニュース)ワシントン=共同(2023年1月13日付)
(3)私邸から機密文書、新たに5枚 バイデン氏再選出馬に影響も:中日新聞Web(2023年1月16日付)
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