さらに、もっと大きな違いにも気づきました。
郊外にある繁盛店には、共通する特徴があったのです。
お店の人とお客さまとのアットホームな関係です。
声を掛け合い、冗談を言ったり、時には相談をしたり。温かい繋がりが見えたのです。
これこそが、自分たちの望むお店の姿だったのです。
こんなお店を持ちたい。こんなバーガーショップをやりたい。
ふたりの夢が、具体的なカタチとなっていったのです。
そして、この地で開業。
いわゆる郊外ではなく、団地を選んだのはなぜでしょう。
50年以上前にできた団地の街は、賑やかさのない、静かな郊外のようでもあります。
昔から住む人が多く、サビれた街を憂いながら、ひっそりと暮らしています。
オーナー夫妻は、そんな街を明るく照らしたいと考えたのです。
特に高齢者は、人の温もりを求めます。人とおしゃべりがしたいのです。
このお店に来れば、楽しい時間が過ごせます。人との繋がりも生まれます。
お客さまは、こう言います。
「マスターがよく話し掛けてくれる」
「年寄りを大事にしてくれる」
「このお店がなくなっては困る」
団地のバーガーショップは、明るい街、賑やかな街を取り戻す、ひと筋の光となるのかもしれません。
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