読売のスクープで全部パーに。岸田首相「キーウ電撃訪問」幻の全日程

 

ロシア プーチン大統領が年次報告演説

プーチン大統領は21日、モスクワで連邦義議会に対する年次報告の演説を行う。その中で、

「ロシアに戦場で勝つことはできない」(*4)

と述べ、ウクライナ侵攻を継続し、改めて勝利を目指すとした。

プーチン大統領は、ウクライナ侵攻について、ロシアは平和的手段でウクライナ危機の解決を試みてきたが米欧などに無視された(*5)と語り、戦争を正当化。戦争を始めたのは米欧側であると指摘し、

「わが国への脅威を取り除き安全を確保するため必要な課題を解決していく」(*6)

と述べる。

さらにアメリカとロシアとの間に唯一残されていた核軍縮合意である新START(新戦略兵器削減条約)の履行を停止すると表明。脱退は否定したものの、条約締結時と国際環境が激変したとし、

「全ては米国の責任だ」(*7)

とアメリカを強く非難する。

ロシアはウクライナに軍事侵攻する欧米に強く反発、これまで核兵器の使用も辞さない構えをたびたび示してきた。

ロシアによる新STARTの一方的な履行の停止で、戦略核兵器をめぐる世界の情勢は、より深刻さを増すことになる。

アメリカのブリンケン国防長官は21日、新STARTの履行停止表明について、

「極めて遺憾で無責任だ」(*8)

と非難した。

中国 習近平国家主席、ロシア訪問? 武器供与の動きも

中国の習近平国家主席は、プーチン大統領との首脳会談に臨むため、数ヶ月以内のモスクワへ訪問する準備を進めていると、米紙ウォールストリート・ジャーナルが報道。

同紙によれば、中国当局がロシアとウクライナの停戦に向け積極的な役割を果たしたい意向があるという。

他方で、ブリンケン米国防長官は19日に放映ささた米NBCテレビの番組で、中国が殺傷能力のある武器をロシアに提供する検討を進めていると指摘した。

これに対し、ゼレンスキー大統領は19日、武器供与は重大な結果を招くとし、中国に自制を求める(*9)。ゼレンスキー大統領は、イタリアのメディアに対し、ロシアの側に立てば、中国は「中立ではいられなくなる」と強調し、平和の実現に向け、ウクライナを支持するべきと主張した。

一方、遠藤誉は、ブリンケン国防長官の「中国がロシアに武器提供」発言は、中国の和平案にゼレンスキー大統領が乗らないようにするため(*10)と指摘する。

■引用・参考文献

(*1)「米大統領キーウ電撃訪問」キーウ共同=西日本新聞 2023年2月21日付朝刊 1項

(*2)「読み解く バイデン氏、戦時下キーウ訪問」西日本新聞 2023年2月21日付朝刊 3項

(*3)歳川隆雄「岸田首相、ウクライナ電撃訪問断念か…読売新聞スクープへの『情報漏洩』は何故起きたのか」現代ビジネス 2023年2月18日

(*4)「『侵攻継続し勝利』強調」共同=西日本新聞 2023年2月22日付朝刊 1項

(*5)共同 2023年2月22日

(*6)共同 2023年2月22日

(*7)共同 2023年2月22日

(*8)共同 2023年2月22日

(*9)「ロシアに武器 中国検討か」キーウ共同=西日本新聞 2023年2月21日付朝刊 5項

(10)遠藤誉「ブリンケンの『中国がロシアに武器提供』発言は、中国の和平案にゼレンスキーが乗らないようにするため」Yahoo!ニュース 2023年2月22日

(『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』2023年2月26日号より一部抜粋・文中一部敬称略)

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伊東 森(いとう・しん): ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。 1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。 高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

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