台湾の防衛戦略は誤り。英国誌が指摘する「ヤマアラシ戦略」の必要性

os20230313
 

中国の脅威に対抗するため、常に準備を怠らない台湾。しかしその「方向性」に疑問を持つ声も上がっています。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、英国の有力誌が掲載した台湾の防衛戦略の誤りを指摘する記事を紹介。さらに日本政府に対しては、論文が批判する誤りをどう受け取るべきかについての見解を記しています。

「方向性が間違っている」英エコノミストが掲載した台湾の防衛戦略への批判

台湾の防衛戦略についての英エコノミストに論文がでていたのでご紹介しましょう。

台湾は中国に対応するために新しい防衛戦略を必要としている

 

海軍最大の艦艇のひとつである「ユシャン」。

 

1月、国防省は記者を乗船させ、この艦が水陸両用強襲車、ヘリコプターの着艦、小型ボートの発艦が可能であることを説明した。

 

台湾初の大型水陸両用戦艦である。蔡英文総統は、台湾の「国防自治」の象徴であると賞賛した。

 

台湾は自国の軍隊に最高の装備を与えることで、中国の脅威に対抗しなければならない、と彼女は宣言した。

 

しかし…

 

アメリカの専門家は、台湾が戦争になったらどうするのかということを考えずに、高価なものにお金をかけすぎていると批判している。

 

大型の艦船やジェット機、戦車は中国のミサイルで簡単に無力化できるからである。台湾は弾薬の備蓄を増やし、より安価で機動性の高い兵器を購入すべきだと言うのである。

 

元の台湾総参謀長であるリー・シミン提督もこの批判に共感している。

 

つまり、最新で最大の戦車、ジェット機、船舶への支出を減らし、中国の侵攻を妨害する可能性のあるミサイルや機雷、機動兵器への支出を増やす方がよいというのである。

 

台湾には、中国が支配する事を苦痛に感じるようにするための「ヤマアラシ」戦略が必要である。

解説

台湾が防衛努力をしなければならないのは自明ですが、その方向性が間違っているというのです。

米国がもっているような最新鋭の戦車、ジェット機、船舶などを購入することは見栄えはよいが、実際には中国の侵攻を思いとどまらせる抑止力にならないとの批判です。

なぜなら、中国の最初のミサイル攻撃で一瞬で無力化されてしまうからです。

台湾には台湾の状況にあった防衛戦略があるはずなのです。

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