高市早苗の“悪あがき”が止まらない。初めの「捏造」発言からトーンダウンした言い逃れの変遷

 

身の潔白を証明できる参考人招致を拒んだ高市早苗の謎

これらの文書を読んでみると、内容はすべて一貫性があり、当時の安倍首相が磯崎補佐官と高市大臣を使って、自分の気に入らない民放の報道番組に圧力を掛けようと根回ししていた流れが良く分かります。しかし高市氏は、このうちの「自分に関する4枚」だけを「捏造」と言い続けているのです。「捏造」というのは「改竄」とは違い、何もなかったことをあったことにするわけですから、上記の部分であれば、2月13日の「高市大臣レク」は行なわれなかったことになります。

文書には、日時が「平成27年2月13日」、時間が「15:45~16:00」、場所が「大臣室」、出席者は先方が「高市大臣、平川参事官、松井秘書官」、当方が「安藤局長、長塩放送政策課長」と明記されています。そして、誰がどのような発言をしたのかが細かく書かれています。それなのに高市氏は、3月8日の参院予算委では「このようなレクを受けたはずもございません」と断言し、翌9日の衆院本会議でも「放送法の政治的公平に関するレクを受けたことはございません」と断言し、この「高市大臣レク」そのものを「捏造だ!」と言い放ったのです。

しかし、3月13日の参院予算委で、総務省の小笠原陽一情報流通行政局長は「レクの記録作成者は確実な仕事を心掛けており、上司の関与を経て文書が残っているのであれば、レクが行なわれた可能性が高い」との見解を述べ、高市氏の「捏造発言」を真っ向から否定しました。大体からして、実際にはレクを行なわずに、大臣や参事官の発言をデッチアゲて行政文書を作成するなんて、普通はありえない話です。

それに、この文書には高市氏の他に複数の出席者の氏名が明記されているのですから、そのメンバーを参考人招致すれば事実はすぐに判明します。ここまで「捏造だ!」と言い張るのなら、高市氏自身が当事の「平川参事官、松井秘書官、安藤局長、長塩放送政策課長」の4人の参考人招致を求めて、国会で自らの潔白を証明すればいいじゃないですか?それなのに、この問題に深く関わっている磯崎補佐官、山田元総理補佐官、安藤元局長の3人の参考人招致を野党が要求したところ、与党はこれを拒否しました。

総務省の安藤元局長は「高市大臣レク」の出席者の1人なのですから、「このようなレクは行なわれていない!これは捏造だ!」という高市氏の主張を証明することができる貴重な証言者です。渦中の高市氏が参考人招致を要求すれば、与党も右へ倣えで実現するはずです。せっかく自分の潔白を証明できるチャンスなのに、どうして高市氏は参考人招致に反対したのでしょうか?

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