現在の日本では、宅配ドライバーやタクシードライバーが空前の人手不足となっています。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では、その現実を現役医師で作家の和田秀樹さんがレポート。日本の高齢者が政府やマスコミのせいで犠牲となっていると批判します。
高齢者をヨボヨボにして喜んでいる日本の政府
宅配ドライバーを中心に空前の人手不足だそうだ。
経済学の原理原則では、人手が足りなくなれば、賃金が上がるはずだが、経営者がケチだから人が足りないのだろう。
最近、聞いた話では、ベトナムとかの労働者が、日本の給料が安いといって、台湾や韓国に行くらしい。
10年もすれば、自動運転のトラックで、ロボットが宅配をするようになるだろうが、それまでの間は、人手不足をなんとかしないと、たとえばネット販売が当たり前になっても、品物が届かないという話になりかねない。
大阪でタクシーにのると高齢ドライバーが多い。
維新の中国敵視政策のために、大阪が不景気だというのは、以前に書いた気がするが、これがタクシードライバーを直撃し、手取り月15万などということがざらだという。
「年金でももらってへんかったら、やってられまへんわ」
その通りだろう。
しかし、タクシーがないと困る人はたくさんいる。日本の場合、利権のせいでウーバーがタクシー代わりにならないからなおのことだ。
昔の日本は給料もよかったし、企業年金もあるし、退職金も高かったから、それなりにタクシーが使える高齢者はたくさんいる。病院に行くのでもタクシーがないと困る人もたくさんいる。
しかし、給料が安すぎてドライバーは集まらない。それを高齢ドライバーが埋めているのだ。
ロボットの実用化、自動運転の実用化までのつなぎとしては高齢者の有効活用がいちばん現実的だ。
おそらく60代なら宅配の荷物をもつくらいはできるだろう。
高齢者を活用し、元気さを保つことが日本の人手不足も消費不足も解決するためにいちばん現実的な対策なのに、日本の政府は高齢者をヨボヨボにして喜んでいる。
コロナ自粛で家に閉じ込め、さらに免許を取り上げようと躍起になっている。どちらも要介護を増やすばかりの政策だ。
高齢者を元気にして、人手不足を解消し、高齢者の消費も増やすとすれば、彼らの有効活用が重要だ。
免許を取り上げるより、むしろ歳をとってもドライバーとして雇うという発想がなぜ日本のマスコミや政治家にはもてないのだろうか?
日本の高齢者はバカ政治家やバカマスコミの犠牲としか言いようがない。
※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2023年4月8日号の一部抜粋です。
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